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TA-E86が故障、修理しました。

こいつも1981年に新品購入したプリアンプです。
TA-E86はTA-E88の弟分にあたります。
今年で43年目。
故障状況は使用中に突然音が出なくなりました。
この故障を修理します。

たまたま視界に本体正面が向いており、消音と同時に
パイロットランプがスローモーションのようにゆっくり
消灯するのが見えました。
いきなり「パッ」と消えるのではなく薄くなりながら消えた。
もしかして、、、、、、
嫌な予感です。

天板を触るとトランスの上の辺りが熱いです。

やっぱり、、、、、、

直ぐに何が起きたか予想が付きます。
これはTA-E88で多発しているあの故障と一緒です。
TA-E86での故障はあまり聞いていないですが
基本的な回路と部品構成はTA-E88とほぼ同じです。
ですから当然同じ故障をします。

故障状況
電源トランス内ヒューズ断。

原因
タンタルコンデンサー故障。
タイトル画像が故障したタンタルコンデンサーです。

C354タンタルコンデンサーが故障(ショート)
Q628の右側は電源からの平滑回路。

タンタルコンデンサーの故障モードがショートです。
これによりアースに電流が流れやすくなり、トランスが発熱し
内部ヒューズが断したことで電源が入らない。

トランジスタQ628も定格以上の電流が流れて道連れになりました。
この故障パターンはTA-E88とTA-E86共通の定番故障です。
故障原因のタンタルコンデンサーを使わなければ「故障知らず」
的な優れたアンプになっていたと感じます。
当時の認識としてタンタルコンデンサーは電解コンデンサーと同等の
寿命だと思われていたのかもしれません。
しかし、発売から40年以上経過後の故障ですから当時の認識が
間違っていたとは思いません。
けれど、トランス内にヒューズを仕掛けてあるのはタンタルコンデンサーの
故障を予見していたのかもかもしれません。

発売から40年以上経過しているタンタルコンデンサーはもう
殺傷力の高い時限爆弾的な存在です。
いつ故障してもおかしくないです。
電解コンデンサーと違い、他の部品を巻き添えにしますから、
故障すると交換部品が増えて厄介です。
故障する前に交換するのが吉です。

まずはパーツ交換です。
C354は30Vラインのマイナス側なのでプラス側のC355と一緒に
電解コンデンサーに交換します。

予防措置として8.4Vラインのプラス、マイナス側の同じ
タンタルコンデンサーC304/C305も電解コンデンサーに交換します。
道連れになったQ628、2SA473も交換。

他の場所にもこのタンタルコンデンサーは使われていますが
後述の理由でそのままにします。

次は修理のメインディッシュです。
トランス内の切れた線状のヒューズ結線を外して電源とトランスを
直結します。

結線を変更して直結します。

ヒューズ無しに通電するのでこのままでは危険です。
残りのタンタルコンデンサーが故障した場合火災につながる可能性が
あります。
これを回避するためにガラス管ヒューズを外部に追加します。
ヒューズホルダー内に装填します。

ガラス管ヒューズを追加

この方法はTA-E88で実践されている様で、万が一又ヒューズが切れた場合は
簡単に交換できます。

修理後暫く様子を見ましたが問題ないです。
これでかなりの延命が出来たと思います。
後7年は頑張ってもらいたいです。


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