レコードを良い音で聴くために②
前記事の続編です。
プレーヤーには主に三つの要素が存在します。
本体
シェル
カートリッジ
本体とはレコード盤を回転させるターンテーブルとトーンアームが
設置されたベースになる部分。
シェルはトーンアーム先端に差し込み、横から出ているレバーに
指をかけてトーンアームを操作するプレート。
カートリッジはシェルにネジ留してレコード盤溝をトレースして
音声信号を拾います。
これらが一体になって初めてレコードプレーヤーとして
機能することになります。
そして盤溝に刻まれた本来の音を再生するためには
カートリッジをシェルに対して正しく取り付ける必要があります。
オーバーハング調整
それは、盤溝とカートリッジが平行になっているか
という事です。
これを測るのがオーバーハングゲージです。
正しく取り付けるにはこのオーバーハングゲージを
使ってカートリッジの位置を調整します。
昭和時代のレコードプレーヤーには付属品としてセットになっている場合もありました。
ゲージとシェルがレコードプレーヤー付属品の場合はこのゲージで
位置合わせをしてトーンアームに差し込めば完了ですが、
レコードプレーヤーを中古購入した場合は付属品が無いケースが多いです。
こうなると正確に取り付けられないという問題が発生します。
又付属品のオーバーハングゲージはそのレコードプレーヤーのトーンアームを前提にしている場合がありますから他のレコードプレーヤーでは
最適な位置にならない場合もあります。
こういう時は次の方法で行います。
ターンテーブル側で調整する方法。
ターンテーブルに乗せて使用するオーバーハングゲージと言う物が
存在します。
これを使って位置合わせをします。
針先(スタイラスポイント)を赤丸の十字に合わせた時に左右の青丸の線と
カートリッジが平行になる様にシェルに固定します。
LP盤をメインに聴く方は外周部と内周部の二か所で調整します。
特に内周部はトラッキングエラーが起きやすいので外周部よりしっかり
合わせる必要があります。
外周部と内周部両位置で同じにならない時は内周部優先で調整するのが
良いです。
特に7インチのEP盤をメインに聴くなら外周部の調整は必要なく中間部と
内周部だけで構いません。
あるレコードプレーヤーのデータを元にした、
自作の簡易オーバーハングゲージは店内で無償配布しています。
数に限りがあります。
適合カートリッジを確認する
プレーヤーに対してシェルやカートリッジは様々な選択肢があります。
前記事でも書きましたがプレーヤーには適合カートリッジ自重が
定められています。
カートリッジを選択する前にまず所有レコードプレーヤーの
適合カートリッジ自重を把握することが必要です。
レコードプレーヤーの型番からネットで調べる事が可能です。
記事画像のヤマハPX-2の例
純正シェルが
8g
適合カートリッジ
5~11g
であることが分かります。
この事からシェルが純正でなくても、シェル+カートリッジが
13~19g以内であれば使用可能という判断ができます。
単体販売されていたシェルは型番がありますから詳細は調べられます。
しかしレコードプレーヤー付属のシェルは型番が無い物も多いです。
そんな時には計測するしかありません。
シェルやカートリッジの重さを把握するにはコンパクトな
スケールがあると便利です。
僕はこれを使って計測しています。
手のひらサイズで重宝しています。
良い音でアナログ音源を聴くという事はある程度の知識と手間が必要です。
特にレコードプレーヤーは一筋縄ではいきません。
正しく調整して良い音で聴けるようこの記事が参考になれば
嬉しいです。