はじまりはサボテンブラザース。
1994年、大阪芸大の1回生の春。
色んなサークルの新歓コンパに参加をする中で映研の4回生の人たちと仲良くなったから、ちょっとだけ気になる先輩もその中に居たから、
わたしは1年間だけ映研に入部することを決めた。
入部したはいいけれど、やっていたことと言えば仲の良い4回生の人たちと遊んだり飲んだりしたことしか思い出せなくて、映研なのに、1度も映画作りに携わることはなくて、
田舎から出てきたばかりの18歳のわたしには4つ上の先輩たちがやけに格好良く見えて、綺麗で眩しくて、ただただ、いっしょにいることがいちばん嬉しくて楽しくて仕方がなかった。
苦手だった椎茸がホイル焼きにしたら食べれるようになった大学の屋上で夏のバーベキュー、無精髭のイエモンが好きだった先輩の家のトイレはブラックホールだったこと、
車で深夜にUK(大阪の人なら分かるやつ)に連れて行ってもらったり、カラオケで先輩が歌ったゴダイゴの“ホーリー&ブライト”は今も大好きで、
こうして振り向くとぽろぽろと思い出すつぶさなものが、なんて眩しくて愛しい日々だったんだろう。
先輩たちと映画のひとつでも、作ればよかったな。