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はじまりはサボテンブラザース。
1994年、大阪芸大の1回生の春。
色んなサークルの新歓コンパに参加をする中で映研の4回生の人たちと仲良くなったから、ちょっとだけ気になる先輩もその中に居たから、
わたしは1年間だけ映研に入部することを決めた。
入部したはいいけれど、やっていたことと言えば仲の良い4回生の人たちと遊んだり飲んだりしたことしか思い出せなくて、映研なのに、1度も映画作りに携わることはなくて、
田舎から出てきたばかりの
電車で缶酎ハイを飲む話を笑って聞いてくれる人が好き。
お酒に酔っては恋をして、
お酒に酔っ払いすぎて暴走をして振られる。
楽しいときも悲しいときも人生にはいつも
となりにお酒がいた。
好きな人と飲むお酒は楽しいし、できるならどんどん酔っ払いたい。でも忘れたくない。でも酔っ払いたい。もっと居たいもっと話したい。帰りたくない。
わたしが好きになる人は、わたしが帰り道とかに電車で缶酎ハイを飲む話を笑って聞いてくれる人で、なんならいっしょに缶酎ハイを片手
ほんじゃね。また会う日まで。
あっという間の恋をした人は義足の人だった。
下北沢の地下にある立ち飲み屋さんで友だちとその人は来ていて、また逢いたいなぁって思っていたら偶然その場所で再会できて、翌日には一緒に飲みに行っていた。
月島で待ち合わせをしてもんじゃを食べて、メインの大衆酒場は夕方からだからその時間まで缶酎ハイを買い込んだら隅田川の川辺りに座って、
夕暮れていく空と心地いい風とどんどん好きになっていく人が隣りにいて、私
代田橋にはふたりの母がいる。
駅を降りてすぐの所に、赤い提灯と、暖かくなってきたこの頃は開け放たれるビニールカーテンの向こうには、10人は座れないような小さなL字型のカウンター。
ほろほろになっていい顔色をしたおでん達が目の前で諸手を挙げている。
「いらっしゃい」
こんなに自然に、初めて行くお店で接せられた店主さんは初めてじゃないだろうか。
表も裏もなくって、昨日も一昨日もお喋りをしたような、この感覚をなんて言えばいいのだろ