ジャニーズ性加害のこと
じわじわと、
ジャニーズ事務所の性加害問題が波紋を広げています。
子どもたちの耳にも達している話題ですから、
ソーシャルワーカーの視点で、
わたしなりに考えをまとめてみます。
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一番大きな問題は、忖度と隠ぺいです。
そこにいじめつまり人権問題について考えるべき、
すべての事柄が集約されているからです。
日本人が、素晴らしいしくみだと考えている国連、
その調査を受け、問題とされた性加害問題であるから、
政府やマスコミ、
各企業は大慌てで自己批判を含めた対応を始めています。
もしも、国連が調査団を送らなければきっと、
社会の裏側で官民が働いて、
不十分な結論だけ発表しておしまいだったでしょう。
社会に一番影響力を持つマスコミと、
マスコミを使って活動している大企業と、
これらの活動を監視・指導する官庁が、
結果としてジャニーズ事務所という権力者への忖度で問題から目を背け、
何も言ってこなかった。
一個人が日本に影響を及ぼすことを認めていたのです。
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ジャニー喜多川がやったことは、明らかな性犯罪です。
虐待と言うのも適切ではありません。
いじめと犯罪を区別しなければいけないように。
そしてこの問題は、
日本社会はいまだにLGBTQ問題に
真剣に取り組んでいなかった証拠でもあります。
なぜならそこに、男性への逆差別があるからです。
LGBTQ問題に国を挙げて取り組んでいるポーズをとりながら、
他方では官民ぐるみで隠ぺいしていたのですから。
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わたしは学校も社会の一部であり、
教師も保護者もこの社会の一員である以上、
わたしも偏見・差別と迫害の素質を持っていると考えます。
老人施設や精神保健施設が、
かつてのハンセン病施設と同じように、
社会が邪魔者認定をして「隔離・隠ぺい」しているのと同じように、
学校が、人に迷惑をかけている発達課題の子やいじめっ子を、
教室から出してしまう。
どこかで、不登校の子は学校に来るなと考えている。
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わたしはジャニー性加害問題を、
自分の中にある社会的なバイアス、
偏見・差別が当たり前になって、
差別と感じないでいる自分に気づいて欲しい、
そのための警鐘だと考えています。