後部座席の子守唄。
私は後部座席が好きである。Twitterでも何かにつけて後部座席の話をする。
実はこれには元ネタがあって、それを知っている人はニコリと微笑んでくださってることだろう。
今日はそんな、平和を学んだ幼少期の話である。
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上の記事でふれられている通り、実はこの訳文の最終文は、オリジナルにはない。おそらく、ネットの渦の中で、様々な人によって付け足され解釈され、あるいは思いを乗せて、語り継がれたきたのであろう(またの呼び方をコピペという)。
それはさておき、この安心についての比喩表現、私にはとてもしっくりとくるのだ。じんわりと胸の中に溶け込み、心の底で落ち着く感じがする。
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グランミラー。
我が家の車、7人乗りの赤いプジョーに積められた父母と5人の子供達。
父は多忙な人だったので、言うほど数は多くはないだろうが、たまにある家族総出の非日常はとても楽しいものだった。
7人が揃っている時なんて、子供とはいえなかなか窮屈だし、一番後ろの席はよく揺れるので、一つ上の兄なんてよく、ケポってた(自主規制)。
だが、そんな窮屈でわちゃわちゃした空間は、今思えばかけがえのない宝であった。
グランミラーやビリージョエルがよく流れたいたのは父の趣味だろう。
旅行のときは、別の曲を流したり、子供たちが自由気ままに歌を歌っていることもあったが、やっぱりこの曲を聞くと、あの頃の安心感を思い出す。
何ともいえない、あの懐かしい空間。目を瞑れば、いつの間に体が揺れているよう。
寝静まった車内では、運転席と助手席で大人の会話が紡がれる。
それを毛布にして、幸せそうな寝顔で、互いに寄り掛かり合う子供達。
もう、すでに引退した赤いプジョーのお話は、またいつかしてみようと思う。
あなたの座っていた後部座席は、どんな音に包まれていましたか。
そして、今はどんな音を奏でていますか。