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『THE KILLING 』のソーレン・マリンが主演した『シージャック』2013年デンマーク・アカデミー賞作品賞受賞作 2020.6.13

2013年(2012年作品)のデンマーク・アカデミー賞(ロバート賞)で、作品賞など主要賞を獲得した作品です。

デンマークは海運王国です。例えばコンテナ船の保有台数世界一はデンマークのマークスライン社。そのデンマークの商船が、インド洋沖でソマリアの海賊にシージャックされます。目的は身代金。実話の映画ではありません。あくまでフィクション。どんパチのアクションは最初だけで、自ら交渉にあたる本社の社長と、海賊側の交渉人の駆け引き、4ヶ月におよぶ人質たちの苦悩を描く心理サスペンスです。

導入部で、日本の会社との商談模様がでてきます。高い値をふっかけっられ、腹のうちを探り合い、絶妙のところで契約を成立させる、そんなやり手の社長だ、ということを見せておいて、そこにシージャックの報。交渉人はプロがやるべきというアドバイスを蹴って、社長自身が交渉に臨みます。一方、乗っ取られた船内では船長以下乗組員が12人。ムンバイで下船する予定だったコック・ミゲルを中心に、せっぱつまった環境や、犯人たちとの共生ぶりがリアルに描かれます。

このところデンマーク映画ばかり観てますので、主演のふたりも「顔見知り」です。社長ペーター役は。『THE KILLING キリング』シーズン1でサラ・ルンドの相棒を演じたソーレン・マリン。コックのミゲル役はヨハン・フィリップ・アスベックはも、どこかで観たことがあると思いましたが、やはり。ピルー・アスベックの名で、ナチスによるデンマーク侵略を描いた『エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略』の小隊長役や、『特捜部Q・キジ殺し』でも重要な役どころを演じてましたね。監督・脚本のトビアス・リンホルムは、その『エイプリル・ソルジャーズ …』や『偽りなき者』や、ことしの「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」で上映された『ザ・コミューン』でも脚本を担当しています。

この作品はデンマーク・アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、脚本賞、編集賞、録音賞を受賞。対抗馬が、『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』でした。
https://umikarahajimaru.at.webry.info/201303/article_1.html

2012年製作/99分/デンマーク
原題:Kapringen
監督・脚本 トビアス・リンホルム
出演 ソーレン・マリン/ピルウ・アスベック/ダール・サリム
第25回 東京国際映画祭コンペティション部門出品。

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