マガジン

  • わたし的 北欧映画2020 ベスト

    2020年に日本で公開された北欧5国の映画をご紹介します。

  • 北欧映画や北欧に関する本 ランダム・ノート

    最近の北欧映画のこと、読んだ北欧について書かれた本、ミステリーなど。あちこちに書いたもののまとめです。

最近の記事

『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』──1938年「ミュンヘン会談」イギリス/ドイツ

●どこで観られる Netflix ●できごと ミュンヘン会談 1938年9月29日 ●note 『暗号機エニグマへの挑戦』 『ゴーストライター』などのポリティカル・フィクションで知られるロバート・ハリスのベストセラー小説(日本未翻訳)を映画化。1938年9月に、ドイツ・ミュンヘンで行われたミュンヘン会議の裏側で、繰り広げられるスパイ・サスペンス。 第二次世界大戦前年に開催されたミュンヘン会談は、ヒトラーのチェコスロバギア侵攻を阻止しようと、イギリスの首相ネヴィル・チェン

    • 『電撃戦』 WWII最前線: カラーで甦る第二次世界大戦 エピソード1 ──1931年「第二次世界大戦開戦」

      ●どこで観られる Netflix ●できごと 第二次世界大戦開戦 1931年 ●note Netflixオリジナル。「WWII最前線: カラーで甦る第二次世界大戦」エピソード1は、開戦からフランス占領にいたるドイツ破竹の進撃「電撃戦」を描く。 ドイツがヒトラーとナチス党の出現で再軍備に進み、次第に力をつけ、チェコスロバキア、オーストリアに続き、1939年にはポーランドに侵攻。これに対し、イギリスとフランスが宣戦布告し、第二次世界大戦が始まる。 直前に、宿敵ソ連と独ソ不

      • 『WWⅡ最前線 カラーで蘇る 第二次世界大戦』『カラーで蘇る WWⅡ 連合国、勝利への道』 Netflix オリジナル・ドキュメンタリーシリーズ

        ●どこで観られる   Netflix ●できごと      第二次世界大戦 1941年9月1日〜1945年9月2日  ●note Netflixオリジナルのドキュメンタリー。第二次世界大戦の貴重な映像をリマスターし、カラー化して再編集した。地図や、現代のドイツも含む世界の歴史学者やジャーナリスト、作家のコメント映像が加わっていて、とてもわかりやすい。 これまでに『WWⅡ最前線 カラーで蘇る 第二次世界大戦』(2019年/10エピソード)と『カラーで蘇る WWⅡ 連合国、

        • 『ワルキューレ』──1944年 「7月20日事件」 ドイツ

          ●どこで観られる  U-NEXT DVD/Blu-ray    ●できごと 7月20日事件 1944年7月20日 写真でみるとかなり激しい爆破だったようだ。現場で3名が死亡。7000名以上が陰謀容疑で逮捕、5000名が処刑、自殺強要された。 ●コメント どこまで史実に基づいているかは不明だが、暗殺未遂事件があったことは事実。それに多くの軍関係者が関係していたのも事実のようだ。 実行者は国防軍大佐。北アフリカ戦線に従軍していた、軍のエリートだが、ナチス指導部にはもともと懐

        『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』──1938年「ミュンヘン会談」イギリス/ドイツ

        • 『電撃戦』 WWII最前線: カラーで甦る第二次世界大戦 エピソード1 ──1931年「第二次世界大戦開戦」

        • 『WWⅡ最前線 カラーで蘇る 第二次世界大戦』『カラーで蘇る WWⅡ 連合国、勝利への道』 Netflix オリジナル・ドキュメンタリーシリーズ

        • 『ワルキューレ』──1944年 「7月20日事件」 ドイツ

        マガジン

        • わたし的 北欧映画2020 ベスト
          23本
        • 北欧映画や北欧に関する本 ランダム・ノート
          110本

        記事

          『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』 FICTIN ノルウェー/ドイツ

          ●どこで観られる   AmazonPrime     Apple TVなど    DVD/Blu-ray ●できごと      FICTION 現代 ●コメント 雪山でナチスの隠し財産を見つけたノルウェーの医学生がツンドラから蘇ったナチスソンビ軍団に襲われる、という『処刑山 デッド卍スノウ』の続編。前作は米エンターテインメント・ウィークリー誌の「ゾンビコメディ・ベスト12」で8位にランクされるほど、カルト的に受けた映画です。監督は引き続きトミー・ウィルコラ。 ノルウェー

          『処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ』 FICTIN ノルウェー/ドイツ

          『ソニア ナチスの女スパイ』──「ノルウェー スパイ戦」 ノルウェー/スウェーデン/ドイツ

          ●どこで観られる   AmazonPrime    U-NEXT    Apple TVなど    DVD/Blu-ray ●できごと      ノルウェー スパイ戦 ●コメント 第二次世界大戦中のスパイ映画です。舞台は北欧のノルウェーとスウェーデン。スウェーデンはコロナ禍にロックダウンをせず、独自な対策で世界の注目を集めていますが、大戦中でも中立を維持し、北欧四国のなかで独自の道を進んだ国でした。 中立国ですから、枢軸国と連合国の両方と外交関係があり、各国の大使館も

          『ソニア ナチスの女スパイ』──「ノルウェー スパイ戦」 ノルウェー/スウェーデン/ドイツ

          「未体験ゾーンの映画たち2021」で観たデンマークのポリスアクション『アンコントロール』 2021.2.21

          コロナ禍のせいもあるのか、生きのいい2020年製作の北欧映画がなかなか入荷しません。この作品が初めてかな。「未体験ゾーンの映画たち2021」での限定的な公開ですが。 現代のデンマーク。大都会の警察が舞台です。中東系移民の若者が警察に不当に拘留されるという事件が勃発。そのニュースがテレビで報道されるなか、新しくチームを組んだ2人の警察官がパトロールにでます。受け持ちは移民が多く暮らすゲットー。おりしも警察に対する反感が渦巻くなか、パトカーが襲われます。アンコントロール、制御不

          「未体験ゾーンの映画たち2021」で観たデンマークのポリスアクション『アンコントロール』 2021.2.21

          わたし的北欧映画2020ベストテン!(2020年に日本で公開・上映された作品から)

          わたし的北欧映画2020ベストテン! 1 ホモ・サピエンスの涙 2 オリ・マキの人生で最も幸せな日 3 願い(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭) 4 ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像 5 ブリット・マリーの幸せなひとりだち 6 ホワイト、ホワイト・デイ(TNLF) 7 陰謀のデンマーク(TNLF) 8 ブレスレス 9 罪と女王 10 グランド・ジャーニー BEST企画 PFFロイ・アンダーソン監督特集 ことしは、ロイ・アンダー

          わたし的北欧映画2020ベストテン!(2020年に日本で公開・上映された作品から)

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「フィンランド映画祭アンコール」 (11/14〜18 ユーロスペース)で観た6本。

          ●『コンクリート・ナイト』(2014) ヘルシンキが舞台。橋が事故で崩落し列車が川に墜落、溺れてもがいるという悪夢で始まった14歳の少年の1日。同居の、年の離れた兄は翌日に、刑務所に収監されることになっています。大好きで尊敬している兄と、街をぶらつき、港で水遊びをし、1日を過ごすのですが…。モノクロ、とてもおしゃれな映像です。ただ、とても難解。この作品は、2014年のフォンランドアカデミー賞( Jussi Awards)では、作品賞、監督賞など6部門で受賞しています。監督はピ

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「フィンランド映画祭アンコール」 (11/14〜18 ユーロスペース)で観た6本。

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」 (9/26〜10/4 オンライン)で観た3本。

          ●『願い』スウェーデン・ノルウェー合作 =SKIPシティ国際Dシネマ映画祭最優秀作品賞 主人公はスウェーデンでは名前の知れた舞台人夫妻。脳腫瘍の診断を受けた妻にどう向かい合うかー夫婦と6人の子どもたちの、クリスマスから大みそかにかけてのドラマです。 担当した振付の仕事が千秋楽を迎え、自宅に戻ったアンニャの体調がすぐれません。クリスマスの前日、病院で診てもらうと、脳腫瘍、それもかなり重度の診断です。世の中はホリデーシーズン。この期間に、手術を受けられるのか、余命はあるのか、夫婦

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」 (9/26〜10/4 オンライン)で観た3本。

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「ぴあフィルムフェスティバル・ロイ・アンダーソン監督特集~素敵なにんげんたち~」 (9/12〜26 国立映画アーカイブ)で観た6プログラム。

          ●『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』 1本目に観たのは、デビュー作『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』(1970年)。昔一度観た記憶がうっすらとありますが、そのときのタイトルは『純愛日記』。日本公開は71年です。『小さな恋のメロディ』とほぼ同時公開。同じ少年と少女の恋、という、たぶん便乗商法かと思います。 療養所に入院する祖父を家族と訪ねた15歳の少年ペールが、たまたまそこで出会った年下の美少女アニカに一目惚れ。町に帰ってから再会し、付き合いを始め…という典型的なボ

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「ぴあフィルムフェスティバル・ロイ・アンダーソン監督特集~素敵なにんげんたち~」 (9/12〜26 国立映画アーカイブ)で観た6プログラム。

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」 (2/8〜14)で観た8本。

          ●『HARAJUKU』ノルウェー映画 ノルウェーのコスプレおたく少女が主役、『Youは何しに日本へ』みたいな話かと思ったら、結構深い内容でした。日本のアニメが大好きで、「聖地」原宿や秋葉原を夢見る少女のクリスマス・イブのできごと。いつものようにオスロ中央駅でコスプレ仲間と遊んでいるところに母の自殺のしらせ。そこから彼女の人生が激変します。途中インサートされるのは、東京の街の映像、彼女の深層風景を表すアニメ。「マッチ売りの少女」のようなイメージショットが入ります。アンデルセン

          2020年公開 北欧映画を振りかえる 映画祭篇「トーキョー ノーザンライツ フェスティバル」 (2/8〜14)で観た8本。

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑯12/11『ブレスレス』フィンランド・ラトビア合作

          SMの世界は実はよくわからんのですが、もしも、ですよ。万が一、この主人公と同じことがおきたとしたら、私とて、その深みに足をつっこむやもしれません。 2019年のカンヌ国際映画祭 監督週間に正式出品されたフィンランド映画です。SMを扱ったアート系フィルム。種類は違いますが、例えば、自動車事故に快感を覚えてしまう男女を描いたデヴィッド・クローネンバーグ監督の『クラッシュ』なんて好きな人は興味を持たれると思います。 最愛の妻を水の事故で亡くした優秀な外科医が、10年後、たまたま

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑯12/11『ブレスレス』フィンランド・ラトビア合作

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑮ 11/20『ホモ・サピエンスの涙』スウェーデン・ドイツ・ノルウェー合作

          スウェーデンの“映像の魔術師”、世界のなかで異彩を放つロイ・アンダーソン監督の最新作。ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した作品です。ロイ・アンダーソンは、今年のぴあフィルムフェスティバルでも、コンプリート特集が行われ、この作品も特別上映されています。 観ている途中で黒澤明監督の『夢』という映画を連想しました。「こんな夢を見た」で始まる黒澤の夢の数々。少年の頃の思い出や、悪夢もありました。最後は牧歌的な楽園で終わります。この作品もロイ・アンダーソンの夢の世

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑮ 11/20『ホモ・サピエンスの涙』スウェーデン・ドイツ・ノルウェー合作

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑭ 11/6公開『ストックホルム・ケース』カナダ・スウェーデン合作

          「長期にわたる監禁状態の中で、人質が警察に対する恐怖と敵意、犯人に対する好意的感情を抱く現象。1973年にストックホルムで発生した人質立てこもり事件からいう。」(新明解)。その73年の事件を映画化しています。 アメリカに憧れる小悪党ラースは、さほど緻密な計画をねってというのではなくわりと軽いのりで銀行を襲います。銃で武装、女性2人、男性1人の銀行員を人質にし、まずは刑務所に収監されている仲間の釈放に成功、金を逃走用の車を要求しますが、警察がこれを飲まなかったため、事態は長期

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑭ 11/6公開『ストックホルム・ケース』カナダ・スウェーデン合作

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑬ 9/11公開『ソニア ナチスの女スパイ』ノルウェー映画

          第二次世界大戦中のスパイ映画です。舞台は北欧のノルウェーとスウェーデン。スウェーデンはコロナ禍にロックダウンをせず、独自な対策で世界の注目を集めていますが、大戦中でも中立を維持し、北欧四国のなかで独自の道を進んだ国でした。 中立国ですから、枢軸国と連合国の両方と外交関係があり、各国の大使館も存続していました。そのため、スウェーデンは両陣営のスパイ活動の中心地となっていたのです。もちろん自国も中立を維持するべく、さかんに諜報活動を行います。その犠牲になったのが、この映画の主役

          2020年公開 北欧映画を振りかえる ⑬ 9/11公開『ソニア ナチスの女スパイ』ノルウェー映画