北欧ミステリ『特捜部Q―キジ殺し―』デンマーク・スウェーデン・ドイツ合作 2020.5.10
北欧ミステリー&サスペンスを代表するシリーズの映画化、2作目です。コペンハーゲン署に新設された未解決事件専門のセクション、特捜部Q。前作で描かれた事件解決のおかげで、署内でも多少の存在価値が認められ、リーダーのカール警部補、シリア人の部下アサドに加え、女性秘書ローセが配属されます。
今回は、20年前の双子惨殺事件がテーマです。犯人が自首し、捜査も終了しているのですが、ふたりの父親が元刑事で、退職後もこの事件を追い続けていたのです。彼はカールに再捜査を懇願した後、自殺。特捜部Qが引き継ぐことになります。
捜査の進行と並行し、事件と関係のある物語がパラレルに描かれていきます。これは前作と同じ。このシリーズの特徴のようです。これも20年前、場所は良家の子女を集めた寄宿制の学校。裕福な家庭で育ったハンサムだが、ワルの「王子様」を中心にしたグループの過去と現在が描かれます。タイトルの『キジ殺し』は、長じてリッチな企業グループのトップとなった王子様たちの趣味。彼らの本質を暗示します。
突っ走るカール、冷静で博学で有能な助手であるアサド、ふたりのやりとりも魅力のひとつです。シリア系のアサドが渋く、この当時はまだ、移民と強調していこうというデンマークの空気ともあっていたのでしょうね。
特徴のある、コペンハーゲン警察署の外観がロケで使われています。
細部が面白そうなので、原作をKindleで買ってしまいました。ちらっと読んだだけですが、やはり描写が細かい。コペンハーゲンの街の地名などもでてきて、これは楽しみです。
2016.2.27 日本公開
原題:Fasandaeberne
製作年 2014年
製作国 デンマーク・ドイツ・スウェーデン合作
配給 マグネット・コミュニケーションズ、アクシー
上映時間 119分
監督 ミケル・ノルガード
原作 ユッシ・エーズラ・オールスン
出演 ニコライ・リー・カース/ファレス・ファレス/ヨハン・ルイズ・シュミット
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