私がLondon School of Economics(LSE)で学ぶ理由(3/3)
3回に分けた内容の最終回です。
今回は国籍と人脈、就職先に焦点をあてて説明します。
これまで世界ランキングや資格について書いてきましたが、このパートが私自身が最も大学院選定時に重要視していたことでした。
多様な国籍
見落としがちですが、これはかなり重要な要素です。
英国の大学院に留学に行った複数の知人からは、大学院の専攻によっては8割が中国の人だと言われたことがあります。
実際に、某大学の職員にオンラインで質問する機会があった際に、私が検討している専攻の過半数が中国の人なのか聞いたところ、若干の間をおいて「YES」と回答されたのを覚えています。
英国の難関校に来る中国の人はおそらく非常に優秀な方々ですし、皆様が留学後、中国でのビジネスや研究をするのであれば最高のパートナーとなるかもしれません。
しかしながら、私としては世界各国の方々とのネットワークを広げたいという思いが強かったです。
優秀な中国の人とのネットワーク構築を目的とするのなら、中国への留学の方が確実ですし、コストとしても低いでしょう。
したがって、この点はホームページをチェックしたり、前述のように職員に直接聞いたりしました。
LSEに関して、イギリスやドイツ、フランスなどEUの人たちの割合がそれなりに高いですし、他にもアメリカ、シンガポール、台湾等、世界各国から人材が集結しています。
以下は数年前にLSEで修士号を取得された知人(Kさん)からの話です。
・中国人留学生は基本的に学位取得後にストレートで来る人が多いので、就職に直結しそうなファイナンスやコンピュータサイエンス等に多い傾向がある。
・逆に哲学、歴史学、政治学などの純粋学問は欧米人が多い印象である。私が在籍していた政治学部の学生の過半数がアメリカ人であった。
専攻によって留学生の国籍がかなり異なるそうです。
なお、私が進学する「MSc Human Resources and Organisations」においては、3-4割ぐらいをインドの人が占めているようです。
SNSを駆使して入学前から情報交換
進学前の私がここまで把握できているのは、「WhatsApp」という、登録者の電話番号が公開されるアプリのLSE合格者(全体)のグループやLSE合格者(HRのみ)のグループ等に所属していて、他のメンバーの電話番号から出身国がわかるためです。
これを読んでいる将来の合格者に向けて申し上げますと、私の場合は、
①FacebookのLSE合格者グループに入る(「LSE Postgraduate Offer Holders」等で検索してください)
②誰かが「WhatsAppの合格者全体用グループを作ったので、入って」といった投稿をするので、そのWhatsAppグループに入る
③誰かがさらに「WhatsAppの〇〇(大学院生/特定の学生寮/学科/国籍等)グループを作ったので、入って」とか投稿するので、そのWhatsAppグループに入る
という形で、入学前から合格者と繋がり、情報交換をできています。
もし②と③の「誰か」がいなければ、自分が作ればいいでしょう。
かく言う私も、日本人合格者のみのグループの必要性を考慮し、作成しました。
就職先
個人的に最重要なことが、修了後の就職先です。
LSEで学んだ後の就職先に関して、前述の知人(Kさん)から下記の意見を頂戴しています。
・どの国で就職したいかによって、行くべき大学院が変わると考えられる。日本で就職する場合、ロンドン大学グループはどこもあまり変わらないが、欧米だとLSEの方が評価が高い。
・業界によってもかなり変わる。開発分野で国際機関を目指すのなら、LSEは合理的選択である。
1番目の「ロンドン大学グループ」に関しては、こちらのサイトが詳しいです。
2番目の内容に関しては、似たような内容を先人のブログ等で読み、直接国際機関で活躍している人からも聞いたので、一定の信憑性がありそうです。
LSEは国際機関との繋がりが強い教授から指導を受けたり、将来そこへの就職を目指しているクラスメイトと切磋琢磨し、情報交換できる環境であると言えます。
したがって、私は今後の進路を考慮した際に、LSEがベストだと思いました。
なお、LSEのページにて、学部(Department)毎に学部生(Undergraduate)、大学院生(Postgraduate)、それぞれの卒業後もしくは修了後15か月後の進路のデータを出しています。
どの国で、どの雇用形態で、どの産業界で、どの職種に就いているかといった情報のほか、年収の中央値やどの企業・団体等に所属しているかもわかります。
専攻を決める際に、この情報を参考にしてもいいでしょう。
成長せざるを得ない環境
これはデータとして示すことはできませんが、LSE留学経験者は口を揃えて課題やリーディングの量が多かったと言っています。
一例として、あまりにリーディングの量が多いので、教授から指示されるまでもなく自主的に勉強会チームが出来上がり、タスクを分担するレベルだそうです。
ソロで死に物狂いで課題をこなすにしろ、リーダーシップとチームワークを駆使して課題に取り組むにしろ、入学前の自分の能力水準のままでは難しいでしょう。
そのようなハードな「成長せざるを得ない環境」を、むしろ私は強く魅力的に感じました。
これに関しては、入学後、しばらく経過した時に実際の状況を報告する予定です。
まとめ
大学院選びの際には、留学生比率や国籍のほか、就職先も考慮すべきという話でした。
もとより私は修了後にどこで何の仕事をするかということから逆算して、大学院で何を学び、どのような人脈を作るべきか等を考えていたので、特に重要視していた要素でした。
LSEでの研究を志す皆様に、少しでも参考になれば幸いです。