見出し画像

私がLondon School of Economics(LSE)で学ぶ理由(2/3)

今回はなぜLSEのMSc Human Resources and Organisationを選択したか、CIPDを中心に説明します。
「Organisational behaviour」や「People Analytics」等が学べるところを探していたというのも理由ですが、入学前で実際に講義が始まっていないので、これらの内容に関しては、別の機会で説明しようと思います。

「HR」系の専攻を検討している方は、ある程度学びたい講義も考えていることを前提として、お読みください。

CIPDとは

読者の皆様にイギリスで「HR」系の専攻を検討している方がいれば、大学院修了後に「The Chartered Institute of Personnel and Development 」(以下、CIPD)の資格を習得できるか否かを一つの選定基準にしてもいいかもしれません。
「CIPD」とは、ヨーロッパ最大のHRプロフェッショナルの団体で、下記の二つのヴィジョンを掲げています。

・influencing policy and practice to convince decision makers that when you put people first in decisions about work, everyone stands to gain
(仕事に関する意思決定において人を第一に考えることで、すべての人が利益を得ることができることを意思決定者に納得させるために、政策と実践に影響を与えること。[ばんばん訳])

・establishing an internationally recognised gold standard for HR and people development, to ensure that the people profession is universally trusted and valued as principles-led, evidence-based and outcomes-driven community of experts who can make work generate value for everyone.
(人事・人材開発における国際的に認められたゴールドスタンダードを確立し、人材専門職が、理念主導、エビデンスベース、成果重視の専門家集団として普遍的に信頼・評価され、仕事がすべての人に価値を生み出すことを確実にすること。[ばんばん訳])

この団体から付与されるHRの資格があれば、端的に申し上げますと、体系的なHRの知識があると証明することができます。
これにはlevel3、level5、level7の3種類があり、level7が最上級レベルです。

(2022年12月18日追記)
なお、この団体が出している報告書等はHRの論文でも度々引用されております。

「HR」専攻の注意点

多くの英国大学院が「HR」専攻を設けており、ほとんどは無事修了すれば、中級レベルの「level5」の資格を取得できると思います。

ただし、私が出願した大学院の一つ、Manchesterの「MSc Human Resource Management (International Development)」は、名前の通り「HR」系の内容なのですが、開発学寄りだからかCIPDの資格は取得できないようです。

このように、「HR」系の専攻でも必ずしもCIPDの資格を取得できるとは限らないので、修士号取得のついでにこの資格取得も目的にしている場合、事前に確認することをおすすめします。

ちなみに、同じManchesterの中でも「MSc in Human Resource Management and Industrial Relations」なら、この資格を取得できます。

前置きが長くなりましたが、そうしたCIPDの資格を取得できる数あるHR系専攻の中でも、LSEの「MSc Human Resources and Organisations」では、私の知る限り、おそらく唯一最上級であるlevel7を取得できます。

(11月17日追記)
本校にCIPDの方が話に来ていたので、上記を確認したところ、ほかにはKCL等でもlevel 7を取得できるそうです。


CIPDの意義

では、この資格にどれくらいの価値があるのでしょうか。
ここまで色々書いておきながら恐縮ですが、入学前の私の考えとしては、「必須ではないが、あったら他者と差別化できる」というぐらいの認識です。
イギリスでHR系の職種に就くのであれば、ある程度有利にはなるでしょうが、世界的な知名度はまだ低いと思われますし、イギリス国外で応募条件にCIPDの資格所持を必須としている求人を見かける機会はあまりないと考えられます。

しかし、それでもCIPDの資格を持っていれば、「ヨーロッパ最大のHR団体から付与された資格を持っており、体系的なHRの知識がある」とアピールできますし、それがlevel7なら「HRの最上級資格を持っている」と言って、就活の際に他者との差別化ができると思います。
したがって、私はどうせなら最上級レベルを取得しようと思いました。

余談ですが、この資格自体は英国の大学院に通わずとも取得できますし(1年ぐらいかかります)、2021年からは日本の団体を通しても取得できるようになったようです。

世の中の資格のほとんどに言えることですが、資格自体は知識があることの証明手段であり、それをどう活かせるかはその人次第だと考えています。
大事なこととして、大学院修了後にCIPDを取得できるか否かという基準で考えることも一つの手ですが、学びたい講義内容があるか否かで出願先を決めた方が後悔しないと思います。

実際、先述のManchesterの「MSc Human Resource Management (International Development)」では資格がとれないとわかってましたが、学びたいことが講義として用意されていたので、私は併願先の一つにしたわけです。

私がLSEに進学後、実際に就活したときにどれだけこの資格が役立ったか、実務でどれくらい活かせたかを、1年後ぐらいにnoteで書くかもしれません。

繰り返しますが、上記は飽く迄、大学院入学前かつCIPDの資格取得前である私個人の認識ということをご理解ください。

まとめ

LSEの「MSc Human Resources and Organisations」を選んだ理由の一つとして、CIPDというヨーロッパ最大のHR団体より「level 7(最上級レベル)」の資格を付与されるからという話でした。

次回は引き続きLSEを選んだ理由として、知り合える人と就職先について説明します。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?