ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第141回は「崑崙」。
※ 今回は文末に本文があります
前回(#140)の予告通り「崑崙」が発掘できたので掲載の運びとなりました。2011年7月の作品だって。当時はGREEの小説部屋にもおった時期があって、そのときに書いたものでございます。
今見ても面白い。問題が発生して、問題を解決する気がないのが面白い。「他人の問題に真剣に付き合わない」というスタンスがいまの世の中では不愉快に思われるのかもしれないが、でも実際は、表面的にゃ他人を思いやっているようでいてその実は心底どうでもいいみたいな心理はあるんでないですか。「仙人」とはそのへんが正直な人なのだろうと思っている。別に共感しなくていいのではないですか。というのは、共感しなければならないという圧にたいする反の心であるぞかし。
ここまで書いててモンティ・パイソンのベッド売り場のスケッチを思い出した。新婚夫婦がデパートの寝具売り場に行くとクセの強い店員らが出てくる。一人はものの長さを10倍多く云う(呪いみたいな)癖があり、もう一人は逆に長さを1/3に云う癖がある上に「マットレス」という言葉を聴くと紙袋に頭を突っ込んで突っ立ってフリーズしてしまう。もとに戻すにはその場の全員で箱に足をつっこんで「エルサレム」を歌うしか方法がない――たしかニコニコ動画にあったはづだが……がんばれよ、角川!
面白さの種類としてはこちらに近いと思った。あのへんの「収拾のつかなさ」を面白いと思う感情は何なんだろうな。な。
というわけで、以下、本文。
崑崙