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【寄稿者:坂本大祐】「学び」の姿勢を得る場の重要性。 「場の発酵研究所」開所に寄せて (寄稿記事vol.2)

「場の発酵研究所」という、学びのプロジェクトを、自分と同じく発起人である藤本遼さんとはじめます。


場づくりという言葉が盛んに聞かれるようになったのは、ここ数年ではないでしょうか。元々は、行政セクタの言語だったように思いますが、今では、幅広いセクタの言葉として機能していますよね。

僕は、場「づくり」という言葉に常々違和感を感じていました。この点で藤本さんと意気投合したのです。

場づくりという言葉で語られている「場」は決して1人の誰かが、ゼロイチで生み出したものではなく、お米と水と菌の関係性によって生まれたお酒のように、醸されるものじゃないのか?
場は「つくる」ではなく「醸す」のほうが、しっくりくる、そう考えたのです。

ここをもう少しだけ詳しく書くと、お酒は杜氏さんが「つくっている」と思われがちですが、お酒の原料であるお水も、お米も、酵母(菌)も杜氏さんがつくったものではないですよね。

同じように場も、空間や、そこに集まる人やそのほかの、場を「場」たらしめる構成要素を、一人の人が生み出しているわけではありません。

この点に於いて「場をつくる」ではなく「場を醸す」のほうがキチンと伝わると思うのです。

以上のような想いで立ち上げたのが
「場の発酵研究所」という学びのプロジェクトです。


ここ数年、学びのプロジェクトをいくつか立ち上げてみて感じているのは、聞くだけでも、話すだけでもなく、「聞いて、話して、やってみる」この一連の流れが無いと、学びが身体化しにくいということです。

そこで、「場の発酵研究所」では特に「やってみる」プロセスを行いやすいような仕掛を用意しています。
ご参加いただいたみなさまが、それぞれの地域で場を醸していく過程を、研究と言ってみて、それぞれに成果を発表したり、手伝ったり、教えあったり、そんな風に、同じ時代を暮らすもの同士、学び合いながら進めたらと願っています。



ここからは坂本個人の話をさせてください。
今から16年前に大阪から、奈良県東吉野村という人口1,700人の山村に移り住みました。
その経緯や理由は、以下のリンクに譲りますが、

https://n-park-project.jp/case/officecamp-01

都市圏という、マジョリティサイドの生き方から遠く離れてみて、強く感じたのは「学び」の重要性です。

ここでいう「学び」とは「教育」とは違い、受動的に受け取るものでなく、自ら進んで、分かろうとする、知ろうとする姿勢を指します。

少なくとも自分は「教育」は受けてきたけれど「学び」はなかったなと振り返ります。
「学び」の姿勢を手に入れたのは、デザイン業を始めたころで、もともと建築の学校をでた僕は、社会に出て、建築からデザインにドメインを大きく変えました。

もちろんデザインなんて習ったことはなかったけれど「自分はやれる」という根拠のない自信だけはありました。
とはいえ、何もかもはじめてのことばかりで、「デザインできます!」と言ってとってきた仕事が目の前にあり、それをキチンとクライアントの意図を汲み取ってカタチにするために「学び」の姿勢が必然的に身についたのです。

同じことが、都市から地方へ住まいを移したことでおこりました。
重要だと思っていた、都市圏でのものさしが地方での暮らしに通用しないのです。

頭の中でだけ、物事をつくりあげていても、地方では何一つ物事が進みません。どんなに不恰好でも、実体を伴った行為がそこにあれば、一歩前に進む。
限りないリアリティの世界が、僕が見た地方での暮らしでした。
ここでも、分からないこと、初めてやることを「学び」の姿勢で乗り越えたのです。

これまで「学び」の姿勢で得た、さまざまな知恵が、今のような不確実な時代を生きるために、とても役に立っていると思います。

目の前に壁が立つ時は「学び」を手に入れる良いタイミングで、この時代に何らかの違和感を感じている人たちは「学び」の姿勢を得るチャンスの中にいるのです。



「場の発酵研究所」では藤本さんと坂本が思う、この時代において指針となるような活動を続けているゲスト講師の皆さまから「気づき」を得る講座と、受け取った「気づき」を仲間とシェアして深め合う「深化」。
最後は、自分の身の回りで試験的に行う「実装」。そんなことを繰り返しおこなう場になります。

明日すぐ役に立つようなことでは無いだろうし、生産性が高い行為ではありませんが、そのような時間が、今を生きる我々には、もっともっと必要だと強く思います。

みなさまと一緒に「場の発酵研究所」で過ごす時間を、本当に楽しみにしています。よろしくお願い申し上げます。


坂本 大祐
合同会社オフィスキャンプ
LOCO Association


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https://peraichi.com/landing_pages/view/banohakkokenkyusho

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