BG2, SoA, シランドの嘆きとヤンの励まし
<美しいレディ・イルラーナを口説くゲーリックのためにプロンプターを務めていたシランド*は、実は彼自身イルラーナに想いを寄せていたのだが、自分は小人のノームだからとても見込みがないと諦めていたのだった>
シランド
「なぜ僕は自分がレディ・イルラーナの恋人になることを夢見たりするんだろう。彼女は僕なんか眼中にないに決まってるのに」
ヤン(ノームのおっさん)
「いや、それはそうとも限るまいよ、我が友。わしのいとこのアデキャンは、綺麗な人間の女性と結婚したのじゃから。やつだってやはりそういい見かけとは言えんかった…じゃが、彼女は彼のユーモアのセンスを高く買ったのじゃ」
「実際、あやつには絶体絶命の窮地でも切り抜ける凄いジョークが飛ばせた。一度など、オーガの三人組に腹を抱えて笑わせて、つい彼を食うのを忘れさせちまったほどじゃよ。じゃが残念なことに、グリフォンには話が通じんかったのじゃ…可哀想なアデキャン。聞くところによれば、やつの最後のジョークもキレキレだったそうじゃ。オチを最後まで言い切ることは出来んかったにせよ」
*シランド Cyrandoという名は、シラノ Cyrano・ド・ベルジュラックへのオマージュ。シラノは名高い同名の仏の戯曲の主人公。侠気とウィットに富む剛勇の剣士にして詩人だが、自分の大きすぎる鼻にコンプレックスを持ち、従妹の美女ロクサーヌを熱愛しながらも同じくロクサーヌを愛する美男の友人クリスチャンのために恋文を代筆したり、逢引の場で隠れてプロンプターを務めたりして、彼と彼女の仲を取り持つ。