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CEOの資質(脂質じゃないよ)

こんにちは!1回口座登録さえ完了すれば請求から支払いまで10秒で完結するPay By Bankの中の人、BANKEYの阪本です。今回は自己評価について考えます。

成功と失敗

-こんちは、今回はまた大きく出ましたね
すいません、BANKEYは今採用絶賛強化中だったりするので、どんな人と働きたいのかといった言語化をチームで話したり、一緒に働く人にどうなって欲しいのか、BANKEYで一緒に働くことでどういうアウトカムを提供できるのかの言語化を試みています。例えば、どういうアウトカムを提供できるのか、するのかというのはこちらのTweet(いまだにPostと言うのは慣れない)みたいな感じです。

ただ、自分はなんちゃってCEOを名乗りながら一体どうなのよ、ちゃんとしてんの?というのを今回は掘り下げていきたいなと。

-ちゃんとしてんの?って結構難しい問いだよね
そうなのです。何を以てちゃんとしていると言うのか、誰がどのように評価するのか。結局のところ事業を前進させて、売上を立てて利益を出して金銭的な還元だけでなく社会インパクトも含めた還元をステークホルダー(社員、投資家あるいは、お取引先など)の期待を越えて行っていくこと、期待値以上ならちゃんとしてるし、未満ならちゃんとしてないということです。

-なるほど、となると事前の期待値をどういう風にすり合わせているの?
例えば事業計画は事業を前進させているかのモノサシであって、計画を共有することは一種の期待値のすり合わせです。なんでビジネスにおいて計画が必要かという問いに対する一つの答えだと思います。そもそもちゃんとしないと行けないのかみたいな話もありますが、ちゃんとしてる相手とちゃんとしてない相手とがいて一緒に働く相手を選ぶなら、普通はちゃんとしてる相手を選ぶはずなので、ちゃんとしていることはある意味社会の共通言語でしょう。
話が逸れますが学校みたいなところでは、ちゃんとしてるの基準が予め決まっていて、僕たちは成長の過程でちゃんとしている基準に定められた期待値に合致しているかどうかで評価されてきたわけです。で、期待値は与えられるものだったわけですが、ビジネスの世界で明確に違うのは期待値自体を評価される側が提案する必要があり、事前に期待値を承認してもらう必要があるということです。まさにPDCAのPの部分です。

-ビジネスとして会社としてちゃんとしているという話の他にCEO個人としてちゃんとしているという観点もあると思うのだけどそのあたりはどうなの?
はい、会社経営全体としては事業計画が一つの骨格なわけですが、個人としてちゃんとしているのか、成功しているのか失敗しているのかを語るには事前の期待値が必要です。実際に、BANKEYではCEOの職務経歴書を定めて誰でも見られるようにしています。ただ、少し更新した方が良さそうな点も出て来たので、1年間の振り返りをしながら公開したいと思います。

BANKEYの職務記述書(CEO)

-え?公開してOKなの?
これも物議があるのですが、基本的に機密情報の定義を流出した場合に競争上問題があるものとしています。職務経歴書の内容や僕の評価が漏れたところで、僕がちょっと恥ずかしいだけなので問題ないです。

-そうなのね、では早速公開してください
一応項目としては 職務タイトル、報告先(レポートライン)、職務概要、主な責務と職務内容、必須スキル・経験、望ましいスキル・経験、個人の資質というフォーマットで2023年9月にBANKEYを設立をした時に定めています。

BANKEY職務経歴書(2023)

常々、良い人がいればCEOになってもらって僕はもっと得意なことに特化する宣言をしてます。なのでCEOを新たに採用するときの目線でもあります。

振り返りと修正

-これがCEOの期待値ね、タイトルと、報告先(レポートライン)、職務概要は良いとして責務と職務内容から振り返ってみようか?

主な責務と職務内容:
・全社ビジョンと戦略策定。
・資金調達と投資家対応。
・イノベーション。
・主要ステークホルダーとの強固な関係構築と維持。
・人事(採用、組織開発、企業文化)
・リスク管理とクライシスマネジメントを含む適切なガバナンスとコンプライアンス体制の確保。

BANKEY職務記述書(2023)

非常に当たり前な内容です。今の自分の投入時間と照らし合わせてみると、この通り仕事をしているような気がします。ただ、比重としては主要ステークホルダーとの関係構築を営業活動と見ると、ここのウェイトが高く、ガバナンス、コンプライアンス体制確保の比重がかなり低い。また、人事については去年1年間かけて採用が計画未達だったこともありこれからという感じでしょうか。それぞれをABCD(AはExtreme good、BはGood、CはOK、Dは要改善)で評価するとしたらこんな感じでしょうか。

・全社ビジョンと戦略策定:C
・資金調達と投資家対応:B
・イノベーション:C
・主要ステークホルダーとの強固な関係構築と維持:B
・人事(採用、組織開発、企業文化):D
・リスク管理とクライシスマネジメントを含む適切なガバナンスとコンプライアンス体制の確保:C

  • 全社ビジョンと戦略策定は、定めて繰り返し発信するということにコミットし実際に行動したもののまだまだ浸透度や成果としての組織開発に繋がってはいないというのでD寄りのC。

  • 資金調達と投資家対応については今度発表しますが何とか創業から2度のエクイティラウンドと銀行借入を完了させられたのでB、ただAと出来ないのは最終的に時間がかかりすぎたという点です。それによって事業に投下できる時間が減ったことも事実。

  • イノベーション、すなわち誰も見たこと・聞いたことがなく、実行可能で議論が起こるアイデアを創出して変革を起こすことはCEOの責務だと思っているのですが、まだまだ実行・実現には距離があるし、イノベーションを楽しめる環境づくりという点でまだまだ、ただアプローチとしては大きく間違えていないという評価なので一旦C。

  • 主要ステークホルダーとの強固な関係構築と維持は営業活動と読み替えるとパートナーとなる金融機関との関係やクライアントとの交渉含めて時間と労力の投入、成果も一定出しました。が、飽くまでトップセールスとしてのアウトプットなのでAとまでは言えずにB評価。

  • 人事については採用が計画未達で組織開発、企業文化の醸成も途上という状況で評価はD。活動量そのものもまだまだ足りなかったという振り返りなので、全社を挙げて活動量を増やしながら採用を強化していきます。変化の方向性は定まったのでこれから徐々に結果が出てくるはず。

  • ガバナンス、コンプライアンスはISMSの取得や電代業登録、会社のプログラムとしての規程類の整備は完了したのでOKとしてC評価。会社としてはしっかりと対応しながらもスピードを重視。

-ちょっと自己評価厳しくない?
いや、甘いとか厳しいとかではなく周りからの評価と一致しているかどうかが大事だと思っています。実際の自己評価はもう少し低かったりはするのですが、どう見えているかというバランスも取る必要があります。

-CEOの主な責務と職務内容はこのままで良い?
経営責任全体なので内容は少し表現は修正するかもしれませんが、評価の軸についてはこのままで良いかと思います。一方で次の振り返りに向けて2025年何をどうするかという、期待値の置き方についてはもう少し具体的に定めます。これからすり合わせしますが、今思っている期待値としては以下の通りです。

  • 全社ビジョンと戦略策定:メンバーへのビジョン、戦略が浸透している、そのための言語化と実行。評価の目線は自律駆動型組織への脱皮が出来たと言えるかどうか。

  • 資金調達と投資家対応:シリーズAラウンドの完遂。

  • イノベーション:プロダクトのリリース、アイデア・コンセプトが社会実装されること、またチームが変化を楽しめる組織になっていること。

  • 主要ステークホルダーとの強固な関係構築と維持:営業活動は継続、ロビイングも含めたコミュニケーションを継続し成果を出す。組織的な動きまでできればA。

  • 人事:2025年末で業務委託のパートナーも含めて20人体制になっている予定。採用も組織づくりも1つ1つ課題をみんなで解決していきます。振り返り時には定量で測定。

  • ガバナンス、コンプライアンス:ライセンスの維持と運用の開始。体制を構築し、ステークホルダーと議論しながら実務が回っている状態を維持できればB評価。

-なるほどね、その他のスキルや資質的なところはどう?
スキル、資質は以下の通りです。

必須スキル・経験:
・高いレベルの戦略的思考とビジョンを持ち、それを実行に移せる能力。
・スタートアップ企業での経営経験、特に金融業界での経験。
・資金調達の成功と良好な投資家関係の実績。
・組織運営とチームマネジメントの実績。
望ましいスキル・経験:
・金融技術(FinTech)に関する深い知識と業界での広範なネットワーク。
・RegTechを含む規制環境に対する理解。
・ビジネス成長に必要な営業、マーケティング、製品開発の経験。
個人の資質:
・高い倫理観と誠実さを持ち、強力なリーダーシップを発揮する。
・組織全体に情熱とモチベーションを与えるチアアップ。
・逆境においても強靭な意志とポジティブな姿勢を維持する。
・大胆さと柔軟性。

BANKEY職務記述書(2023)

自分自身を振り返ると金融ドメインの知識、経験はかなりある方なのですが決済という領域に絞るとまだまだ勉強中だったりします。一方で勉強中だからこそ「変だぞ」という感覚が残っている部分もあって評価が難しいところ。引き続きインプット、アウトプットのバランスをとっていくことが必要です。
あとは組織運営、マネジメントは…一緒に成長していきましょう。

-いきなりのカミングアウト!資質はどうだろう?
倫理観については大丈夫って言えば言うほど怪しいのですが、ここは自分の存在意義でもあるし、何よりも家族に言えない仕事はしないという信条なので大丈夫だと信じたい。あとはちょっと変だぞという時に止めてくれる、示唆をくれるメンバーが周りにいるかというのが結構大事だと思っていて、幸いにも今のBANKEYには僕の発信がちょっとまずいんじゃないのというときに率直なフィードバックをもらって改善できる環境があります。それに甘えちゃダメで、自分自身も率直にフェアにフィードバックする必要があるし、フィードバックをもらったからには何かしらのアクションを起こす、変えないなら変えないで理由を明らかにするといったことが必要です。
チアアップは大きなチャレンジで、コミュニケーションの基本として心がけてはいるものの、自分が尊敬する人とのコミュニケーションと比べるとまだまだ足りない、もっともっと変わらねばならないというところです。
いずれにしてもBANKEYのCEOはこうあって欲しいというところに対して自分自身がまだまだ足りない部分もあるので何とかしなければなりません。

-ところでCXOって必要なのかね?
良い観点です。卒業時に一つ上のポジションでということを実現していくという形式的な話だけでなくて、役職名ってそんなに大事ではないなと。それよりはどのレベルの裁量を持って。自律して動けるかどうかの方が圧倒的に大事。何よりも自分自身が自分のことをCEOと言うとちょっと痒かったりするので、CXO制度を廃止しようかなと思っています。レポートラインと責任範囲(=裁量権限)が擦り合っていれば肩書って何でも良いなと。
昔、MUFGの経営企画でCDTO(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)という役職を新設するときに、幾つか名前の候補があって、僕はCKO(Chief KAIZEN Officer)を提案しました。没になりましたが、役職名ってそれを見たら何をする人かが一目で分かるというのが大事だと思っています。CEOって何となく社長感はありますが、何やねんと。今の組織サイズだったら必要に応じて代表取締役ですと言えば良いだけだなと。いろんな視点があるのでちと相談です。

引き続きメンバー大募集中

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