プログラミングが苦手なエンジニアがリーダーに昇格した理由
はじめに:プログラミングが得意でなくても活躍する方法はある
私は新卒で三菱UFJ銀行に入社し、約6年勤めたのち、ITベンチャーに転職しました。
転職直後、私はプログラミング経験が少なく、周囲と比べてスキルが劣っていると感じ、チームの足を引っ張る存在だと思っていました。
しかし、現在では10人以上のエンジニアで構成されるチームで5人の部下を管理するリーダーを務めています。
この成長は、プログラミングスキルを飛躍的に向上させた結果ではありません。
むしろ、
「みんながやりたがらないことを積極的に実施すること」
「チーム内で自分が活躍できる役割を考え抜くこと」
を意識し続けた結果です。
本記事では、私が転職先で実践した具体的な行動とその効果について詳しくお伝えします。
これらの行動は、再現性が高く、誰でも実践可能なものです。
1. 周りがやりたくないことを率先してやる
転職直後、私はプログラミングスキルが低いため、周囲と同じ土俵で競うのは得策ではないと考えました。
その代わりに、周囲が避ける業務に積極的に取り組むことで、自分の価値をアピールすることにしました。
その第一歩が「マニュアル作成」でした。
当時、スタートアップでは退職者が出ると業務が止まる状況が発生していました。
事務員が退職し、マニュアル作成という重要な業務が宙に浮いた状態になっていました。
多くのエンジニアは「マニュアル作成なんてエンジニアの仕事ではない」と考えていましたが、私はこれをチャンスと捉え、自ら手を挙げました。
マニュアル作成を進める中で、私は営業チームとも密に連携しました。
営業からのフィードバックを受け、マニュアルを改善していくことで、営業が現場でどのようにシステムを活用しているかを学ぶことができたのです。
また、新しい事務員が入社した際には、マニュアル作成のプロセスをフロー図にまとめて共有し、誰でも分かりやすい形にしました。
これらの取り組みを通じて、私は単に「マニュアルを作成する」だけでなく、営業からの信頼や上司からの評価を得ることができました。
この経験は、チーム内で自分の存在感を高める大きな一歩となりました。
さらに、こうした活動を通じて気づいたのは、「誰もやりたがらない業務には大きな価値が潜んでいる」ということです。
これ以降、私は常に周囲のニーズを観察し、自分が積極的に手を挙げられる業務を探す姿勢を持ち続けました。
2. 営業向けの勉強会を実施する
マニュアル作成を通じて営業と関わる中で、営業チームがシステムの仕様を十分に理解しておらず、困っていることに気付きました。
これを解決するため、私は営業向けの勉強会を提案し、エンジニアチームと協力して実施しました。
勉強会では、システムの基本的な仕組みや運用方法をわかりやすく説明しました。
具体的には、画面の操作方法やエラー時の対処法など、営業がお客様に説明する際に役立つ内容を重点的に取り上げました。
この勉強会を通じて、営業チームからは「お客様視点の意見」を直接聞くことができ、エンジニアとしては貴重なフィードバックを得ることができたのです。
これは、私にとっても意外な結果でした。
営業だけ得られるものがあると思っていましたが、エンジニアにとっても意味のある勉強会になったのです。
結果として、営業とエンジニアの間のコミュニケーションが円滑になり、チーム全体の生産性が向上しました。
また、この活動を通じて、私は営業やエンジニア双方から感謝の言葉をもらい、チーム内での存在感をさらに高めることができました。
この経験から学んだのは、
「自分の役割に固執せず、チーム全体の課題を解決するために動くことの重要性」
です。
自分の行動がチーム全体に良い影響を与えると信じて行動することが、結果として信頼を築く鍵だと実感しました。
3. 商談に参加し、上流工程を担うエンジニアに
プログラミングが苦手である一方で、営業との関係を深めていた私は、自分がチーム内で活躍できる役割をさらに考え抜きました。
その結果、私はお客様との商談に参加し、上流工程を担当することを目指しました。
当時、商談はマネージャーが1人で対応しており、他のエンジニアはあまり関わりたがりませんでした。
私はマネージャーに「商談に参加させてください」と直談判しました。
マネージャーは「手が足りないから助かる」と快諾してくれ、私の新たな挑戦が始まりました。
商談に参加する中で、お客様のニーズや課題を直接聞き、解決策を提案するスキルを磨きました。
特に、お客様の視点に立った提案を行うことで、信頼を得ることができました。
また、商談で得た知識をチーム内に共有し、プロジェクトの方向性を調整する役割も担うようになりました。
これにより、私はプログラミングスキルではなく、「お客様との信頼構築」や「プロジェクトの方向性を定める能力」でチームに貢献できる存在となりました。
現在では、チーム内でお客様対応の第一人者として信頼を得ています。
おわりに:行動を変えれば、再現可能な成功がある
今回紹介した行動は、「みんながやりたくないことを積極的に実施すること」と「チーム内で自分が活躍できる役割を考え抜くこと」が大切であるとしています。
これらの行動は、特別なスキルを必要とするものではありません。
むしろ、誰にでも実践できるものであり、再現性の高い成功法則だと考えています。
プログラミングが得意ではない私が短期間でチームリーダーに昇格できたのは、こうした行動を積み重ねた結果です。
この経験を通じて、「自分の得意分野を活かしながら課題に向き合う姿勢」の重要性を改めて実感しました。
この記事が、プログラミングに自信がない方やキャリアに悩む方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
成功の鍵は、自分ができることでチームに価値を提供し続けることにあります。