見出し画像

無性にヴァン・ゴッホの作品に惹かれるのはなぜ


Kindle Unlimited で読み放題作品だったこちらの本を読みました。

『ゴッホ画集2023年版: 生涯と800作品 (世界の名画シリーズ)』

私は画家の中でも特にゴッホが好きです。

理由はわかりませんが、無性に惹かれるものがあります。

とくに、生涯何度も書いたとされている「ひまわり」は、見ている人に元気を与える素晴らしい作品だと感じています。


私はどうしてこんなにもゴッホの絵に惹かれるのか…

彼の生涯について詳しく知らなかったので、この機会に本を読んで学んでみようと思いました。


この本から学んだことはたくさんあるのですが、実はゴッホは「ひまわり」よりも描き続けた物がありました。

それは、「掘る人」でした。


ゴッホの絵は「土を掘る行為そのもの」に意味を持っていて、宗教に深く関わりがあるとの見解がされていました。

キリスト社会における「土を耕す行為」は禁断の木の実を食べたアダムへの「罰」を連想させる。

p.114


また、ゴッホが労働の厳しさを後世に伝えたかった思いがあったと述べられていました。

社会主義に傾倒していたゴッホは、労働する人々の尊厳を描こうとした。

p.240


これには、ゴッホの背景が強く現れていると思いました。


ゴッホは祖父、父の職業であった牧師を目指すも挫折、

その後、伝道師になろうと努力するも、思いが強すぎて挫折…


27歳で画家になってからの10年間、決して順風満帆な生活を送れたわけではありませんでした。

かつては牧師になることを目指していたため、どこかで宗教への思いを断ち切れないでいました。

しかし、かつてエリートとされていた牧師たちも、自然主義の流行により、ゴッホの生きた時代では次第に勢力を弱め、教会を離れる人々が増えていったのです。

『ニュネンの古い教会の塔』という絵を描いた時、ゴッホはこのようにのべました。

この廃墟は、「どれほど基礎が強固でも、宗教は朽ち果てること」そして「農民の生と死が永劫に変わらぬこと」を僕に語っている

p.222

変わりゆく宗教や教会の姿を、変わらずに繰り返される畑での労働を対比させることで、心の安定を保ち続けていたのかもしれません。


「ひまわり」とは対照に、「掘る人」が描かれた絵のほとんどからは、少し暗い印象を受けました。

しかし、ゴッホの心は決して暗かったわけではなかったのかもしれないと考えると、なんだか救われたような気持ちでした。


これを機に、他の本からもゴッホについて学びたいと思いました。


読んでくださりありがとうございました🙇‍♀️

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集