『あくたの死に際(1)』
最近読んだ『あくたの死に際』という漫画の1巻が超絶面白くて、ぜひ紹介させてください!
久しぶりに熱くなれたような感覚でした。
漫画の概要
『あくたの死に際』は、竹屋まり子先生による漫画で、2023年4月28日から小学館のウェブコミック配信サイト「裏サンデー」とアプリ「マンガワン」で連載されています。
あらすじ
物語は、社会人の黒田マコトが、学生時代の文芸部の後輩であり、現在は売れっ子小説家となった黄泉野季郎との再会をきっかけに、小説家としての道を歩み始める姿を描いています。彼の人生は大きな変貌を遂げ、小説業界に新たな波紋を広げていきます。
感想
黄泉野という存在
黄泉野季郎は、現在売れっ子小説家であり、かつては黒田マコトの大学の後輩でした。
物語では、彼の存在感が強烈でした。
彼の言葉や態度はマコトに対して挑発的で、オブラートに包まずにズバズバ言うところが特徴的です。
しかしそれは、マコトの実力を認めているからであって、言葉の一つ一つが愛で溢れているのです。
私も読んでいて、黄泉野という人が近くにいたら、つらい反面どれほど成長できるのだろうと想像させられました。
黄泉野が今後どのような物語を書いていくのか、期待が溢れるばかりです。
書くことの「痛み」と「喜び」
第1巻では、マコトが黄泉野の影響を受け、自身の人生に向き合いながら、小説を書く決意を固めていく過程が描かれています。
その中で印象的だったのは、小説を書くことの「痛み」と「喜び」です。
何かを創り出すには、自分自身と向き合う必要があります。その過程は時に苦しく、時に孤独なものですが、その先にある「達成感」や「自己表現の喜び」が本作を通じて見事に表現されています。
このテーマは自分の人生と重なることが多くありました。
私も大学生以降、何かを書くこととずっと向き合ってきました。
論文にしろ日記にしろ手紙にしろ、
書くという行為には痛みがつきまといます。
しかしそれと同時に大きな達成感を味わうことができ、大袈裟な言い方をすれば生きた心地を味わうこともできます。
この漫画から、何かを書くこと、作り上げることの意味を教えてもらいました。
出版業界の裏側
マコトが小説家としての一歩を踏み出す中で描かれていたのは、華やかなイメージとは異なる、出版業界の現実でした。
編集者とのやり取りや、業界の仕組み、小説家としてのプレッシャーなど、読者として普段触れることのない部分が非常にリアルに描かれており、まるで業界の舞台裏を覗き見ているような感覚を味わいました。
書きたい本を書くのか、
売れるための本を書くのか、
売れるための本を書いたとして、
売れる保証はあるのか…
マコトの心の中の様々な葛藤から、無名な作家の書いた作品が周知されることがどれだけ困難なことかを知ることができ、新しい視点を得ることができました。
これらの情報が、物語の奥深さをさらに引き立てていたと感じました。
最後に
人生に何か物足りなさを感じている方がいたら、ぜひこちらの漫画を読むことをおすすめします。
心の中の熱い何かが動き出すのを感じることができると思います。
読んでくださりありがとうございました𓅓