デッドプール&ウルヴァリン
そりゃー私はデッドプール大好きですよ。だから本作も楽しみにしてたし、結果観たらやっぱり最高でした。が、私と同じような人他にいっぱいいる?
第四の壁とか、ふざけた残酷描写とかだけでなく、過去のMCU(ドラマ含む)観て、かつ20世紀フォックスのマーベル作品も観てるような人。だったら、確かに本作は十分楽しめると思うけれども。そんな人いっぱいいる?という点がすごい疑問なのだが、でも人入ってるみたいなんですよね。不思議だなあ。
まあとりあえず、私にひびいたポイントを挙げていくけど、巷で盛り上ってる一部の人(と信じる)感想とそう変わらないものになってしまうんですが、それでもやってみますか。ネタバレ。
まずこの映画は、ローガンの墓の前でデッドプールが、彼を連行しに来たTVA(時間監理局)の隊員を大量虐殺するところから始まる。大変残酷。このシーンを冒頭に持ってきたのは、「ディズニーさん(あるいはディズニーファン)、いいか?デッドプールとはこういうシリーズだぞ」という宣言として、意識的にやっていると信じる。だから、かなり早い段階で、ニック・フューリーも言えなかった"MOTHER F**KER"もとびだす。途中、言いかけて邪魔されるというギャグもはさみつつ、最後に意外な人物にあっさり言わせていて笑う。
もう一つ、デッドプールは第四の壁破りを使い、「MCU」とか「マーベル」を連発するものの、映画船体としては、過去の20世紀フォックス作品群をひきずっている。マルチバースの時間軸から分岐した枝たち、あるいは虚無に見捨てられたヒーロー達が、そのまま、過去のレガシーとして切り捨てられようとしているフォックスの作品群のメタファーになっている。そしてデッドプールはそういうヒーロー達(映画達)を切り捨てずに救ってほしいと訴えている訳だ。これは構造的には『スパイダーマン:ノーウェイホーム』と似ているようで、より骨のあるメッセージがこもっている。とんでもないものをディズニーは引き受けてしまったね。
そして、マルチバースについて、劇中でデッドプールに「マルチバースは失敗だった」と言わせちゃってるのもすごいね。この作品自体もマルチバース使ってるじゃんとも思うが。ただここでの扱いはとてもシンプル。アース616がMCUで、従来のデッドプールシリーズがアース10005ってことかな。
また、今回細かいギャグがいちいち面白かった。原語を注意して聴いていたところ、字幕では出なかったが「インティマシー・コーディネーターを呼んでくれ!」ってのもあった。最近話題になってるやつ。
あと最後、うれしかったのは、ウルヴァリンがマスクかぶってくれたこと。あれはカッコよかったなー。最初からあのコス&マスクでいいじゃんと思った。