クワイエット・プレイス:DAY 1
クワイエット・プレイスの前作2作は観てません。今回、ルピタ・ニョンゴが出るということで、観に行きました。前作を観ていないのは、「音を立てたら襲われる」というワンアイデアで、どれだけ展開させられるかという獲れ高が、予想を越えてこない気がして。せいぜい、誰かが忍び足で逃げる途中で何かを蹴っとばしてしまうとか、敵をまどわすために別の方に石投げるとかぐらいかなと。想像で言ってるので間違ってたらごめんなさい。少なくとも今作に関しては、その点は予想の範囲内だったと言えます。ただ、本作の主眼は、それよりもルピタを中心としたドラマに焦点を置いていて、その意味ではルピタと、相手役のジョセフ・クインがよかったし、監督に『PIG』のサルノスキ監督を招いたのも製作側にそういう意図があったんでしょう。そこはうまくいっていると思いました。
ただ、ラストのあたりには2つほど不満があります。結末にふれますが、主人公のサミラとエリックは共に行動をして脱出ポイントの船着場に到達するものの、サミラは今の場所に留まる決意をして、エリックを助けて船に乗せ、逃がすことに専念。そこはいいのですが、エリックが船に辿りついた後、特に残されたサミラに思いを馳せるようなシーンがない。エリックは死期の迫ったサミラに寄り添おうと思ったから一緒についていこうと思ったんじゃないの?そこで何もないと、なんかエリックが酷薄なキャラに見えちゃうし、二人の交流の物語だったはずが、単にサミラのヒーロー性が際だつだけじゃないですか。そんなはずじゃなかったんだがなあと、得心がいきません。
もう一つは最後の最後のシーンです。もう視聴者は、音を出したら怪物が襲ってくるというのは理解しているんだから、最後はイヤホンジャックが外れてステレオから音楽が流れ出す、で終わっとけば、余韻があっていいのに。怪物出現まで見せちゃうのは蛇足では?と思いました。