ソウルの春

この映画はパク・チョンヒ大統領暗殺後、チョン・ドゥグァンがクーデターで大統領になるまでの史実をもとにしたフィクションだ。ていきなりネタバレしてるが、だって史実だからしょうがないよね…韓国史にうとい私だって知ってるし。が、ご安心!たとえ結末が分かっていたとしても、そのスリルに引きこまれることうけあい。
ただ、通常のサスペンス映画と違う点は、ハラハラドキドキで、共感の対象が正義の側というよりむしろ悪のチョン・ドゥグァン側だということだ。なにしろ、クーデターを企てるものの、最初から失敗続き。参謀長の逮捕は銃撃戦になるわ、大統領に逮捕の裁可をあおぐも、「国防長官が許可しないとダメ」と断わられるし、その国防長官は行方をくらまmしてる。おまけに首都警護長官が何かと邪魔してくる。第2空挺旅団を呼び寄せるも途中で引き返してしまう…といった具合に、とにかく追いこまれてピンチの連続なのは、悪のチョン・ドゥグァンの方なのだ。そしていよいよダメか…となった時にまさかの大逆転。でもこのプロットって完全にヒーロー側のそれなんだよね。だからこの映画は面白い。
この主役?を演じるファン・ジョンミンも悪くて卑怯な奴ではあるが実に魅力的にチョン・ドゥグァンを演じている。でも繰り返すようだけど、こいつその後の歴史をみるとどう考えても大悪人だからね。

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