ボルテスV:レガシー

私は何を求めてこの映画を観たのか?と自分自身に問うている訳です。懐かしさか?物珍しさか?メカの再現度か?いずれにしろ今となっては微妙な気持ちになっている。ボルテスVのことはよく覚えていない。主題歌は印象的なのでさすがに覚えているが、後は5人が搭乗するメカが合体してロボになるということぐらいか。同時期にやっていたコンバトラーVとよくごっちゃになる。その程度の思い入れでは、安易に観てはいけなかったんだと思う。この映画は昔やっていたそのアニメが人気になったフィリピンで製作されたということだ。もちろん作り手としてはオリジナルのオマージュに溢れているということになるのだろうが、そうでもないこっちからすると、アップデートされてない「レガシー」の悪い方ばかり見せられることになってしまう。

まずはメインキャラ5人の構成だが、兄弟3人、余所者の男一人、女性一人。この女性キャラは最初から兄弟の主人公格の嫁候補でいじられ、しかもチームでの役割が健康管理ときた。更に、搭乗するメカがロボットの足部分である。これだけでも一番下の扱いである上、動きが一番激しい部分である。地獄の労働環境ではないか。合体後にロボットが走る場面があるのだが、上の方のやつらはちょっと揺れたりするカットになっているのに、女性はまったく揺れていない!これはフェイクじゃないの!?とすごく気になってしまう。
更に、演出が古い。搭乗人物の一人が亡くなるのだが、そこに至る愁嘆場が延々、10分ほど続く。いくらなんでもひっぱり過ぎでは…
これだけ引っ張っておいて、結局物語としては終わっていない。じゃあ、もうちょっとテキパキやれば、もう少し展開できたんじゃないの?
メカだけは現代のCGでアップデートされていい感じなのかもしれないけど…
あと戦争。異星人は、大量の兵器で地球を圧倒している割に、ボルテスVがちょっと中ボス倒したぐらいで撤退している。いくらボルテスでも1機じゃ世界中を守るの無理でしょ…とか、ガンダムを経験してしまった我々からすると、ここも物足りない。「そういう時代の世界観なんだよ」と言われればそうなのかもだけど、そんな但し書き付きでこっちは鑑賞しないといけないのか。

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