ザ・キラー
デヴィッド・フィンチャー役の『ザ・キラー』鑑賞。面白かった。1年に三大デヴィッドのうち2人の監督作が観られるなんていい年だね。もう一人も観れたら最高。
世の中、プロフェッショナルの殺し屋といえば、『ジャッカルの日』のジャッカルやゴルゴ13のように寡黙がなのが一般的。なのに本作の主人公の殺し屋は、モノローグでしゃべるしゃべる。しかも、「相手に感情移入しない」みたいな自分ルールを、自分に言いきかせるように毎度言ってるので、この人は鋼の心ではなく、普通の人なのだと共感が持てるし、後半の復讐のところでは、殺し屋は仕事ではなく復讐のために一人ずつ殺っていくのだが、いつその自分ルールを破って失敗するのかと、そこが非常にスリリング。原作通りなのかもと思ったが、映画は原作とは違うらしい。効果的な設定と思いました。そっちは饒舌な一方、証拠品を捨てたり、匂いを消したりするところは特に説明もなくポンポン進めていくので、そこもプロフェッショナルな仕事の流儀を見ている心地良さがあった。
P.S. BLACKHOLEの特集回を観て、この映画は、シットコムのようなコメディとして観るのが正しいお作法だと知る。これはもう一度観ないとね。