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bandshijin 音楽ブログ

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音楽ブログ『∴bandshijin∵』の記事を紹介する記事集。
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#音楽

ブレーメン BREMEN くるり 少年の足跡の歌

ブレーメン BREMEN くるり 少年の足跡の歌

くるりの2007年のアルバム収録曲『ブレーメン』ですが2001年発表でくるりの代表曲の1つ『ばらの花』と共通のモチーフ「ばら」が登場。芽吹きの奇跡、古今東西を違えて輪廻再誕する歓喜の象徴が『ブレーメン』の一節と思えるのです。

キャメル くるり ラクダの夢便

キャメル くるり ラクダの夢便

テーマソング作りなどにおいては特定のモチーフを使いに行く意識がプロダクションにつきものと思います。作家の自由な創作においては無意識に自己から滲み出す共通のモチーフが身の周りで房を成すこともあるかと。そのモチーフは、まさに作家のアバターだと思うのです。

チャコの海岸物語 サザンオールスターズ エボシ岩の先端に立つ風見鶏

チャコの海岸物語 サザンオールスターズ エボシ岩の先端に立つ風見鶏

楽曲まるごと渾身のウィット、ジョークみたいな真実のエンタメ愛。キーワードのエボシ岩、チャコ、ミーコ、ピーナッツについておさらい。涙で揺らぐ視界を表現したような意図を感じる音像の妙味に感服。

夜明けのBEAT フジファブリック 煩悩の無酸素ダッシュ

夜明けのBEAT フジファブリック 煩悩の無酸素ダッシュ

モテキの疾走する森山さんを脳内反芻。キレッキレの轟音は街の喧騒と心臓の生理の重ね合わせ。埋め尽くすリズムのギターリフに無呼吸ダッシュを強いられる気分。サビボーカルのブルーノート最高。永遠にカッコ良い曲。

Yesterday The Beatles 昨日と今日に架ける梯子

Yesterday The Beatles 昨日と今日に架ける梯子

はっとするような音程の移ろいや響きの緩急。昨日と今日のはざまを揺らぎ、つなぐいつ聴いても世界の時事ネタであり続ける名曲、The Beatles『Yesterday』リスニングメモ。今さら? いえいえ、今から。何度でも。

たいくつ 井上陽水 望郷の哀歌

たいくつ 井上陽水 望郷の哀歌

井上陽水さんの歌に感じる「冷たさ」。現実の裏面を射抜く清涼感。等価交換の原則すら顔パスした絶対領域。鑑賞中だけは何者でもないことを赦され、歓迎される。「音楽=自己表現」への最たるカウンター。

朧月夜(唱歌) 倍賞千恵子の歌唱 霞の観念

朧月夜(唱歌) 倍賞千恵子の歌唱 霞の観念

2番の歌詞がおもしろいのは、「~も」で名詞を連ねきって、そのすべてが朧月夜に霞んでく風情を歌っている点です。「●●も××も△△も……すっかり日が落ちて霞んでしまうよ、おぼろ月夜」という意趣を感じます。昼間の陽光を反射した生きとし生けるもののテクスチャも、光の量が減って見えかたが変わるのです。

春よ、来い 松任谷由実 のぞみとの距離

春よ、来い 松任谷由実 のぞみとの距離

松任谷由実さんの傑作『春よ、来い』はなんとなく「いまが春」のときに思い出したり聴きたくなったりする歌のように思うのですが、あらためて歌詞をながめてみると、まだどこかでうずくまっている春、記憶のなかにある美しかった春、これからやってくるべき春を思わせます。

誰かが PUFFY、The Birthday 最高の己を見せてやれ

誰かが PUFFY、The Birthday 最高の己を見せてやれ

誰しも、誰かを必要としている。今のあなたがそのかたち・姿でいることにうなずきを与え、個人の現実を全抱擁します。「誰かが」と、あえて遠い呼称を主題にし自己や多己の理想と現実の高みを示唆する快心作です。

潮風のアリア くるり おおらかな時間の練磨

潮風のアリア くるり おおらかな時間の練磨

息が長くおおらかなセンテンスを波のように繰り紡ぎ岩が流動するような悠久なスケール感。歌詞のあちこちがつながり始点や終点がフレキシブルする魔法。胸熱なオルガンつながりで近作California coconutsと聴き連ねも好趣向。

勇気100% 光GENJI 等身大の不思議な錯覚

勇気100% 光GENJI 等身大の不思議な錯覚

複数の調を経由して元に戻ったとき、元の調なのに新しい調に感じる錯覚。かつての120%(あるいはもっと)が、未来の100%になる。作詞と作曲とはつらつとした集合ボーカル、元気が湧く神秘。

ロビンソン スピッツ 純白を汚す風

ロビンソン スピッツ 純白を汚す風

輪郭ゆらめく美しいアルペジオの浮遊感はまるで目を離すことを許さないかまってちゃん。空も飛べるはず、スパイダーとに渡るパラレルストーリーとスピッツ詩性の端っこを幻視。漂う宇宙船、スピッツよ。

 Tigran Hamasyan“StandArt”の魂に踊る 京都音楽博覧会2023(10月9日)の寸評

Tigran Hamasyan“StandArt”の魂に踊る 京都音楽博覧会2023(10月9日)の寸評

アルメニア出身の彼のピアノは静謐に、猛烈に、突飛に。ベースとドラムの艶かしさに衝動的にシートエリアを飛び出しました。これはダンス・ミュージック。街の音楽博覧会、京都汁を堪能・感動。

くるり 感覚は道標 全曲レビュー 足跡の海

くるり 感覚は道標 全曲レビュー 足跡の海

新しい創造の手法としてのバンド(きずな、しがらみ、運命共同体……)の再会、そこに憑依するもの。のぞむ未来、キャリア、この瞬間を足跡が映します。ここにも、あそこにも海。長文ですが、少しでもリスニングのお供になれば。