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「脳のバグらせ方」を読んで学んだこと

最近読んだ「脳のバグらせ方」という本について、感想と学んだことをシェアしたいと思います。

タイトル:脳のバグらせ方 脳がわかれば恋は作れる
著者:世良サトシ
発売日:2021/4/28
人物紹介:脳ハック系YouTuberとして15万人の登録者を持つ(2023年10月現在)。心理学や脳科学に基づいて恋愛のコミュニケーション術を解説している。

感想

恋愛テクニックは多く存在しますが、この本では脳科学的視点を交えながら説明しているため、非常に説得力がありました。
なかには聞き覚えのあるテクニックもありますが、背景の脳の仕組みを理解できるため、忘れにくく、他の場面でも応用が利きそうだなと感じました。

本書のポイント

本書では、脳は非論理的な判断をするので、誤帰属を起こせ!と一貫して言っています。誤帰属とは、一見整合性が取れていそうな、「間違った因果関係を見出すこと」です。

例えば、「暗闇効果」も脳の誤帰属の一種です。
暗闇効果とは、暗闇で他人いると親密になりやすくなる効果のことです。
人間は本能的に暗いと不安や恐怖を感じます。
不安によって生じたドキドキが、好きな人と暗闇にいると「この人と一緒にいるからドキドキしているんだ」と脳が誤帰属します。
だから親密になれると脳科学的に説明することができます。

また、人の悪口を言っていると、自分に対して言っているように脳は認知してしまう、という話を私は聞いたことがありますが、これも一種の脳の誤帰属だと思います。

次に、特に勉強になったと思った点を紹介します!

1. 潜在意識が9割!

人の意識には、顕在意識と潜在意識があります。
簡単に言うと、自分で「自覚している意識」と「自覚していない意識(無意識)」のことです。
実は人間の思考や感情は、9割以上、潜在意識で判断しています。
※具体的に何%なのかというのは、研究結果によって諸説あるそうです。

これはかなり衝撃でした。自分は考えて行動しているつもりが、思考や感情は無意識にコントロールしていたんですね。
そして本書には、相手の顕在意識ではなく、潜在意識に働きかける行動をせよ!と書かれています。
冒頭に紹介した暗闇効果もそうですが、本書の例が面白かったので紹介します。
例えば、デートを目標にするなら、デートとは関係ない文脈でよいので、デート関連のワードを会話の中にちりばめます。(ディズニー、記念日、彼氏など)
そうすると相手の脳内には、無意識に「彼氏と記念日にディズニーに遊びに行く」イメージを想像します。このように潜在意識に働きかけることで、相手の思考を誘導することができます。

本当かよ!と一瞬思いましたが、たしかに本来とは全然違う文脈だけど、そのワードを言うだけで緊張する、なんてことはありますよね。
本書では、「記憶をもつれさせやすい言葉を使う」と表現していたのが、しっくりきました。
言葉のネットワーク上の一つの言葉(節点)が活性化されると、それと結びついた周辺の節点も活性化される。その単語に結び付いた知識や記憶が潜在意識化で思い出される。

ちなみに、お笑い好きの私は、これは大喜利の発想と同じだなと思いました。お題のキーワードに関連したことでボケるとウケるのは、その周辺のワードが潜在意識で活性化されているからだと思いました。

2. 人の話を聞くときは、感情に焦点を当てる。

聞き上手になるためのテクニックは数多く存在します。

  • タイミングよく相槌を打つ

  • 話を途中で遮らない

  • 自分の意見を控える

  • 身体を相手の方向に向ける

などがありますが、これら全てを意識することは難しいです。
実践すべき重要なポイントはただ一つ!

相手の感情に注意を払うこと!
感情を読み取ることは、かなりの集中力を消費するので、それ以外のことに気を使う余裕はなくなります。
しかし、大丈夫です。
なぜなら、人の話を集中して聞かずして、感情を読み取ることはできないからです。つまり、感情を読み取ることだけに集中することで、他のことも自動的に自然に身につくようになります。

この発想は、かなり目から鱗でした。感情に焦点を当てるというアプローチは新鮮だし、実際かなり重要だと思いました。

次に、あまり賛同できなかった箇所について紹介します。


わざと無視して、相手の気を引く

本書には、相手の印象に残るように行動をすることを勧めています。
その方法の一つとして、仲良くなったら話しかけられた時に「わざと無視する」という手法がありました。
この手法を用いることで、なぜ無視されたかを考える機会が増え、相手の脳が「あの人のことをこんなに考えているのは、あの人のことが好きだから」という誤認識に至ると書かれています。
これはあまりにも巧妙すぎて、気持ち悪さを感じました。脳を操作するテクニックがどこまで健全かは検討の余地がありますね。

そもそも、こういうテクニックにのみ頼る人とは、あまり絡まない方がよいと考えています。この本を読もうと考えたきっかけは、相手の手の内を知るためです。
残念ながら、このテクニックを悪用し、脳をハッキングしてくる人が世の中にはいるでしょう。そういった人から脳を守るため、私はこの本を読みました。
私にとってこの本は言うなれば「脳のバグらせ方」ではなく、「脳のデバックの仕方」を学べる名著だと思いました。

まとめ

脳の仕組みや心理学に基づいて、人間関係や恋愛において効果的な行動を学ぶことができます。
一部のテクニックは巧妙であるものの、その手法を理解することで、間違いなく恋愛上手になることができると思いました。
また、自分を守るための知識としても有益であるので、脳をデバックするためにも、読む価値があると思いました。

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