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世界は誰かの仕事でできている

ラストマイルを鑑賞した。面白かった。内容はとても面白がる内容ではないが、娯楽を通して社会問題を考える契機になる。非常に重大な事であり、脚本家の野木亜紀子氏毎度ありがとうございますという気持ちである。
社会生活を送る上で切っても切り離せない「労働」というテーマをその都度の世相に合わせて様々な角度で描かれることから、学生の頃なら共感できないような気持ちにまで届く。今回も各々のキャラクターに感情移入をした。
特にシークレットゲストとして出演された中村倫也氏のキャラクターは誰もが彼自身の状況になりかねないと思える。
各々の階層で仕事で悩むことは多々あると思い、報酬というものが発生している以上責任感を持って仕事に取り組むことは言うまでもない。
ただ今回彼が働いていたような大企業になると彼1人の裁量でどうにかなるものでは無い時に、環境次第で状況が大きく変わってしまう。
相談できる上司がいたか、彼のことを気遣える同僚がいたか。物語を見る中で彼自身は誰にも頼ることができない状態であった。
ベルトコンベアを動かせるのであれば止めることもできる。一見当たり前に思えるようなことでさえ、思考が回らない程、彼が追い込まれていたという状態が見ていて、本当に辛かった。
本編終了後のフィクションに対するお決まりの文句と同時にある一文が追加されており、普段なら何気なく見逃してしまいがちな部分に大きく心を惹かれた。
と同時に「労働」ということを今一度考えさせられる内容をニート期間に見る事ができて、本当に良かった。

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