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一つの単語から広がる世界


ハンガリー語の"fahéj"

この単語は香辛料の「シナモン」のことなのだが、cinnamonの字面からはあまりにかけ離れているだけに初めのうちはなかなか覚えられなかった 。

だが、今は違う。

この単語、実は「木」を意味する"fa"と、「殻、皮、外皮、パンの耳」などを意味する"héj"に分解できるのだ!

そっか、シナモンって木の皮からできてるんだよな

調べてみるとその通りだった。

そこから広がって、シナモンとニッケイ(肉桂)の違いとやらを調べ、この香辛料の世界を覗き込んでみた。

意外と曖昧な言葉「シナモン」



一般にシナモンと呼ばれているものには、実は複数の種があるらしい。スリランカ原産のセイロンシナモンはその学名(cinnamomum verum, "true" cinnamon)から見て、歴史的に「正統派」シナモンと扱われていたのだろう。

 一方日本には、江戸時代中頃に中国から肉桂(ニッケイ、ニッキ)と呼ばれる近い植物種(中国・華南地方原産のcinnamomum cassia/cinnamomum aromaticum)が持ち込まれた。以後、漢方薬や和菓子の香料などとして栽培されるようになった。和菓子では、ニッキ飴やあの京都の八つ橋の香料、さらには鹿児島の郷土料理けせん団子などに、また正月のお屠蘇にも使われている。

※1漢方薬や香料としての利用自体は日本でも奈良時代ごろからあると考えれている。

※2現在でも中国語では料理で使われるシナモンを桂皮(guìpí)と言うそう。一方で、漢方で使われるものは主に肉桂(ròuguì)と呼ばれ、特に広西チワン族自治区産の肉桂は广西肉桂として特産品として知られている。


また、これら2種以外にもインドネシアシナモン(cinnamomum burmannii),サイゴンシナモン/ベトナムカシア(cinnamomum loureiroi)等々、分類上何種かが存在する。
これらすべての総称が俗にいう「シナモン」と呼ばれている。

まじか、一つの言葉が実はこんなにも色んな種類の植物をひっくるめていたのか…

他にもこういう例がきっと山ほどあるのだろう。
人間の使う言葉って結局相当曖昧なんだと感じさせられた。

それではまた~👋


《参考資料》


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