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自家製 酒種酵母作り
昨年の夏から始めた自家製酵母作り。冬になり気温が下がってからはお休みしていた。気温が低いとなかなか発酵が進まないのだ。
こたつでもあれば一定の温度で保温ができるのだが、我が家にはこたつも無い。あったところで自家製酵母なんかをこたつに入れようものなら、誰かが蹴飛ばしてこたつの中が大惨事になるのは目に見えている。
発酵温度を一定に保ってくれるもの…そうだ、ヨーグルトメーカーでもあれば、と検索してみるとわりとお手頃価格で出回っているではないか。買うべきか、買わざるべきか…。できることならば、物を増やしたくない。さらに飽きっぽい性格であるため、購入する前には本当に必要かを何度も自分に問う。
先日、マフラー(オロチ)を購入する際にも、一度お店を離れてクールダウンしてから、再びお店に行って、トータル二時間は悩んだ。結果オロチは買って大正解だった。
ヨーグルトメーカーを買うか、悩んで悩んで悩みまくる。もし、買うとしたら甘酒や塩麹も作れるややお高めの多機能のものか、ヨーグルトを作るだけのシンプルなものにするか、また悩む時間が増えることになる。
「べつにさー、要らなくなったらメルカリで売ればいいじゃん」とミソ画伯は言うけれど、飽きっぽい上に面倒臭がりなのでメルカリで売るのも面倒なのだ。やはり我慢するべきなのか。
そんなとき、実家の母から電話があった。「年末に荷物を送るんだども、欲しいものはねぇが?」というありがたい電話だった。
その時私はハッと気づいた。私よりももっと財力があって飽きっぽい、秋田の「飽きたさん(母)」が電話の向こうにいるではないか。
私は秋田の飽きたさんに聞いた
「もしかして、ヨーグルトメーカー持ってる?」
すると飽きたさんは
「持ってるけど一回も使ってねぇ。欲しばけるど(欲しかったらあげるよ)」
と言ってきた。
予感的中。やっぱり飽きたさんは持っていた。
飽きたさんが家電量販店に買い物に行った際、ちょっと欲しくなって買ったはいいが、一度も使っていないらしい。ついでに、その勢いで買ったカスピ海ヨーグルトは腐らせて捨てたと言っていた。おお、飽きたさん、我が母ながら呆れてしまう。
でも、これからは買うか買わないかで悩まなくていい。買わなくて良かった。ヨーグルトメーカーは他の荷物と一緒に送ってもらった。箱には美味しそうなヨーグルトと、女性のくびれたウエストの写真が載っていた。このお腹の写真を見て一体何人の人がこのヨーグルトメーカーを買ったのだろう。おそらく飽きたさんもそのうちの一人だ。
驚くことに、飽きたさんは購入してから一度もそれを使っていないのに、説明書を失くしたしたと言っていた。入っていたのは間違いない、確かに入っていた、私はこの目で見たということを何度も訴えてくる飽きたさん。メーカーを庇っているのだろうか。
どんなに正直に言われても、私は「あなたの失くした説明書はこれですか?」と女神のように金や銀の説明書を出すことができない。
なんとなく、実家の台所の保証書や説明書が雑に詰め込まれているあの引き出しのあたりにありそうだな、と思いながらスマホでヨーグルトメーカーの使い方を調べた。
使い方は簡単で、牛乳に少量のヨーグルトを加えて、スイッチを入れるだけ。翌朝ヨーグルトが出来上がっていた。中はほんのり温かい。
これならば自家製酵母もできるじゃろうと、酒種作りを始めた。
レシピはYouTubeで観て目分量。米、麹、水だけで作る。これってお酒になっちゃうんじゃない?と思ったが、これだけだと酵母菌の力が弱くてお酒にはならないらしい。(もう少し温度が高ければ甘酒にはなる)
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100円ショップで購入した容器がピッタリ★「プレーン」と「カスピ海」のボタンがあって、初めはプレーンの方で発酵させたのだが、温度が高めなので、カスピ海にしたらいい感じ。
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三日目、甘酒のようになってきた。かき混ぜたスプーンをなめてみるとびっくりするくらい甘い❗👀
ここからあと2日くらい発酵させる。
シュワシュワと勢いよくガスが出てきたら、完成だ。
久々に酵母作りを始めたらやっぱり楽しい。そして今回は、温度を気にしなくていいというのが楽だ(タイマーが8時間なので、たまに延長しなければならないけど)。これもヨーグルトメーカーを買ってくれた飽きたさんのおかげだ。
これから何かを購入する前には、必ず飽きたさんに電話することにしよう。