魚セットが届いた
正月3日目に私が留守にしている間に魚セットが届いたようだ。
そうだ、あれは年末のクリスマスごろだったか。
「魚セットを買った」とエストニア人が言っていた。「へーなんで?」と聞くと、「電話が来たから」というではないか。
「は?」となった私は、「いくらよ」「何が入ってるのよ」と矢継ぎ早に質問をした。
すると、彼は「高かったと思います」と弱々しくつぶやいた。値段を聞いても「言えません」と口を閉ざした。いやならクーリングオフもあるんだから断ればいいと私は言ったのだが、そういうことをするような性格でもないだろうと予想した。
電話が来たからと言って買うのか理解不能なのだが世の中にはそういう人がいる。母の友人で下着を10万円でセールスマンから買って、家族に言えないからどうしようという相談があったのは40年以上前のことだった。
それと似たような状況だが、まさか10万円ではなかろうと思い、その話はそのままにした。
すると、忘れた頃の正月の3日目の午前に魚が届いた。外出から戻るとすでに魚たちは冷凍庫に入っていた。
鮭の半身、たらこ2パック、松前漬、ホタテが入っていた。鮭は冷蔵庫で解凍して夜に食べるという。それ以外は冷凍庫に入っていた。
サーモンとじゃがいもを切り、生クリームをかけてオーブンで焼いたものとバター焼きを食べた。美味しかったからそこそこ私は満足したのだが、購入した本人が最後に「高いと思う」と言った。
「だからいくらだったの?」と聞くと観念したかのように2万円近かったそうだ。
私は「高いねぇそれは」と口に出すと、本人はきっとショックだなと思ったので黙っておいた。
「代わりに魚の味は美味しかったのでそれでいいじゃないかな」それが本音でもあったから。
インターネットで検索したらなんでも調べてお得な情報があるのに、電話で買ってしまう人っていうのはいるんだなと改めて思った。前から我が家のエストニア人はそういう一面があるというのはわかっていたから納得ではある。
みなさんも電話でセールスが来ても、買わないでくださいね。
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