キッチンシリーズ新製品、BALMUDA The Plate Proが2023年10月12日に発売となりました。前回のDeep Dive into BALMUDAでは、発案者である岡嶋シェフの話を交え、ホットプレートの企画が社内でどのようにして進んでいったのかを紹介しています。
今回は、BALMUDA The Plate Proを実際に形にし、量産へと導いたスタッフの話と共に、開発現場の想いをお届けします。
黒子に徹したデザイン
BALMUDA The Plate Proは、本格的な調理ができるだけでなく、見ている人も一緒に楽しめるホットプレートを目指しました。デザインは、製品が実際に使われているシーンを頭の中で描きながら決めていったといいます。
外観をシンプルかつ上質な見栄えにするため、逆に製造工程は複雑になりました。例えばクラッドプレート(鉄板部)は、表面にバイブレーションと呼ばれる加工を3工程、施すことでマットな仕上げを実現しています。
触れる部分に安心感を
クラッドプレートのハンドルと温度調節ダイヤルは、直接ユーザーが触れる大事な部分。安全性を第一に、デザインや質感を全体とのバランスを見ながら決めていきました。
何十枚もの金属板を試す
BALMUDA The Plate Proの大部分を占める分厚い鉄板、クラッドプレート。他のどのホットプレートよりもおいしく調理ができるという体験価値の要となる部分ですが、仕様が決まるまでには、さまざまな種類の“金属の板”を何枚も試したといいます。
ネット通販や付き合いのある鉄工所から目当ての板を取り寄せては、それを熱した上で実際に岡嶋シェフが調理します。シェフから得たフィードバックを元に検証を重ねた結果、アルミをステンレスでサンドする“クラッド鋼板”の採用が決まりました。
しかし、クラッドプレートの試作は困難を極めたといいます。
偶然が導くチャンス
試作のできない状態で、プロジェクトは暗礁に乗り上げようとしていました。しかし、岸本の苦悩を知るひとりのスタッフが、偶然に訪れた打開の機会を見逃しませんでした。
こうしてクラッド鋼板の試作ができあがり、さらなる評価と調整を重ねて6.6mmのクラッドプレートが誕生することになります(シェフ視点による前回記事も、ぜひご覧ください)。
高度なヒーティング機構
隅々まで均一に行き渡る熱は、クラッド鋼板の特性だけでなく、真下に配したヒーターと、ソフトウェアによる温度制御の三位一体で実現しています。
金属ヘラのデザイン
BALMUDA The Plate Proには、ひっくり返す、押さえるなどの調理から、焦げを取るなどのお手入れにまで便利な金属ヘラが付属しています。先端の形状はシェフの意見を参考に、持ち手はハンドル同様、樹脂パーツを入れることで安心感のあるデザインになっています。
主役は人と料理にありき
BALMUDA The Plate Proは、“人と料理”を主役に据えて開発したホットプレートです。お店で食べるようなワクワク感を家庭で味わうという新しい価値の創出に、デザインとエンジニアリングの力を結集して挑み続けました。
おまけの「★」
マガジン「Deep Dive into BALMUDA」では、普段あまり語ることのない開発現場のディープな情報を、スタッフの声を交えて紹介しています。