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変化の兆し、偶然遊び

私は10年ほど勤めたデザイン事務所を退社し、2016年にフリーランスとなりました。
最初はエレガントな屋号でも付けてやろうかと思ったのですが、いざ携帯が鳴った時に「はい、シャルルフレジェです」とかいうのは大変照れる気がして、結局ただの「酒井崇」の名でやることにしました。
今では気軽に「はい、酒井です!」と対応していますが、領収書をもらう際には「あの、酒井崇で、、」と本名を晒して結局照れています。

とそれはさておき、フリーになったことでとても面白い現象が起き始めました。勤め人だった数年間、自宅→地下鉄→会社→地下鉄→自宅の定型無限ループに完全にハマっていたのが、フリーになった途端いつどこへ行っても良いことになりました。

人間関係も同じで、ルーチンで必ず会う人から、その時にその場所でしか会えない誰かとの関わりが始まりました。
家や住む町も変わり、多くが変化した数年の中で、もっとも激変したのは、この人間関係でした。当時一番会っていた人がまったく会うことのない人になり、それまで知らなかった人たちが今の私の生活をカタチ作ることになったのです。

環境に与えられた人間関係から、自分で選んだ人間関係にキレイさっぱり入れ替わりました。そして自由意志で選んだ人間関係やそこから生まれた仕事は、それまでの想像の常に斜め上をいくものでした。

今でも不思議に感じるのは、人生を大きく変えるような縁ほど、もしその時にその場へ行かなければ生まれなかった類のものが多いことです。今お世話になっているギャラリーも、一番面白い仕事のクライアントも、そして隣にいるパートナーも、針の穴を通すようなピンポイントの縁が発端になっています。
偶然の中にこそ可能性があるのか、人が偶然を過大評価することで嗅覚が増すのか分からないけど、これは実体験としての感想です。


さてさて、最後にもうちょっと現実的な話。フリーランスになれば必ず好都合なことが起こると言うつもりもなく、私もこの先うまくいく保証はありません。
それでも、とりあえず私の場合に運が良かったのは、幅広く何でも請け負う小さなデザイン事務所で長年修行したことで(だいぶ命を削りましたが、、笑)、一人でコンパクトに何でもこなせるスキルが持てたこと。
そして、ライフワークとしての絵の制作と個展を15年以上前から続けていて、そこから生まれた縁が仕事に大きく発展していることです。

また改めて、その辺りの話も書けたらいいなと思います。

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