
バレエ上達の近道は、泣きながらのストレッチではない!正しい柔軟性を手に入れるコツ
泣きながらのストレッチがバレエ上達に不可欠?
バレエを習う子供たちが、
泣きながら痛みに耐えて
ストレッチをする光景…
テレビや動画サイトで
見たことがある方いますか?
一見「努力の証」として捉えられがちですが、
実はこれには大きな問題があります。
確かに、ストレッチすることは必要ですが、
泣くほどの痛みや無理なストレッチは、
筋肉を固くさせてしまい、
逆に怪我のリスクを高めてしまうのです。
泣くほどストレッチをした本人としては
「ここまでやっているのだから、
柔らかくなるはず」
と思いますよね。
痛みに我慢して取り組んでいるのにも関わらず、
痛めたり・さらに固まったらどうですか?
とても悲しいです。
バレエ上達の中で高い柔軟性は必須項目。

焦るのもわかりますが、
一日ストレッチ頑張ったからといって
体が急に柔らかくなることはありません。
日々の積み重ねが柔軟性を作ります。
ですが
もし間違ったストレッチや、
1年続けて変化しないストレッチしていたら、
勿体無いと思いませんか??
せっかく努力するなら、
より効率良く、
正しい知識を元に努力した方が近道です。
ちなみに私は怪我をしてから
正しいストレッチを知りました。
自ら身をもって
「あ〜これまでの方法は間違っていた」
と学びました 笑
私が失敗して学んだその方法、
この記事でお伝えできればと思います。
1.成長して身体が固くなるのは普通(柔らかすぎは異常)
「あの子はあんなに柔らかいのに、
うちの子は固いなぁ…」
と思ったことはありませんか?
柔軟性は人によってそれぞれですが、
バレエ教室に行くと
身体の柔らかい子が多くいます。
同じ練習をしていても個人差が出ます。
人間は大人になるにつれて
身体が固くなります。
赤ちゃんの頃は誰しも身体は柔らかく、
ぐにゃぐにゃですが、
成長する中で重力に争い、
立ち上がり、重い体を支えて生活する上で
関節を固める必要があるから。
そのため成長するにつれて
体が固くなるのは自然なことです。
「やっぱり固くなるのが普通よね!
柔軟性が高い方が怪我しにくいし、
柔らかくないといけないし
もっとグイグイストレッチしないと!」
と思った方!次の図を見てください。

この表は
ケガ発生の度合いと柔軟性を示しています。
何を示しているのかというと、
柔軟性が低いとケガしやすい
柔軟性が高すぎてもケガしやすい
という図です。
「えっ、柔らかすぎてもケガしやすい?」
と感じた方も多いのではないでしょうか。
ですが良く考えると当然の話です。
なぜなら、
骨と骨をつなぐ「関節」
この部分の支えが柔らかく
グラつきやすくなると
関節の動く正常な範囲から
逸脱しやすくなるから。
この正常な範囲からの逸脱がケガです。

例えば足首の捻挫をするとき、
足首がと動いてはいけない方向に曲がり、
さらにその状態で体重がかかることで
靭帯を痛めます。
身体が固いと動かない分、
「ブチっ」と切れやすくなり、
身体が柔らかすぎると
関節がグラグラして、少しの負担で
「グニャっ」と正常範囲を超えた
動きをしてケガに繋がります。
これが身体が柔らかすぎても
怪我をしやすい理由です。
「え〜、柔らかすぎても怪我しやすい
ならどうすればいいの??」
と思うかもしれませんが、
体が柔らかい大人には
2つのパターンがあり、
①何もしなくても
柔らかい「関節弛緩」タイプ
②コツコツストレッチを積み重ねた
「努力型」タイプ
このどちらかになります。
先程までの話にあった、
関節がグラグラする、
身体が柔らかすぎるタイプは①です。
バレエの上達という面で考えると、
①は後で苦労します。
②は先に苦労します。
結局どちらも努力が必要になるのですが…
今回は②の話を進めていきます。
※①で困っている方は、
また別の対策が必要になります
(ご要望が多ければ、こちらの記事も書きます)
固くなるのが普通の体はコツコツと
ストレッチを積み重ねて努力するしかないです。
ですがバレエの動きは
一般の動きを超えた可動域を求められます。
その為には固まろうとする筋肉を騙して、
「ここが普通だよ〜安全だよ〜」という範囲を
少しずつ広げていくこと。
これが今のところ一番良い方法です。
正常範囲を増やす上で、
ストレッチの方法を間違えると…
「え、ここは私の範囲外です!!
急いで元に戻れ〜!!!」
と反応して、ぎゅっと縮こまってしまい、
固まることがあるのです。
ここからはストレッチの目的を知って、
間違ったストレッチをしていないか?
考えていきましょう。
2.危険なストレッチ
①乗ってもらって、激痛・無理矢理ストレッチ
泣きながら痛みに耐えて、他の人に押してもらう
無理なストレッチをするとどうなるでしょうか?
筋肉や腱は、限界まで引き延ばされると…
「きゃ〜切れる。。急いで縮まないと」
という防御反応を起こして
きゅっと縮みます。
すると反射的に伸びにくくなるのです。
その状態で、さらに無理矢理に
他の人がぐいぐいと押してストレッチすると…
耐えきれなくなった組織が「ブチっ」と
肉離れなどを起こす危険性があります。
「一度ブチっと切った方が良い!」
などの意見もありますが…
切れた部分は、修復の過程で
周囲の組織を寄せ集めて、
カサブタのようなものを作って固めます。
そこからより壊れにくいように
再構成して行くので、
過去に痛めた部分の柔軟性は下がります。
(回復力と代謝が最強な子どものうちであれば、
大人よりは固まりにくいですが…)
そのため
ママさんが上に乗って、力一杯ぐいぐい押すことはお勧めできません。

②反動をつけてストレッチ
反動をつけると筋肉・腱に、
自力では伸びない範囲の急な力が一瞬でかかります。
そのため、傷ついてしまうリスクが増加します。
イメージしてみてください。
固まった輪ゴムを急に引っ張ると、
パチンと切れることがありますよね?
筋肉や腱も同じように、
瞬間的な激しい負荷がかかると、
パチンと損傷する可能性があります。
③息を止めてストレッチ
「少しでも深く伸ばそう」
と一生懸命にストレッチすると
つい息を止めてしまうことが多いのですが、
これは体に負担をかけてしまう行為です。
例えば、重いものを持ち上げるときに
無意識に息を止めることはありませんか?
同じように、息を止めてストレッチをすると、
体が一時的に緊張モードになってしまいます。
緊張モードでストレッチすると、伸びにくくなります。

3.体を騙すストレッチをしよう
ストレッチは筋肉に
・無理な負荷をかけ過ぎず、
・自然な反応を利用して伸ばしながら
・少しずつ正常に伸びる範囲が広がっていく
という状態を目指します。
痛みを我慢するのではなく、
体が「安全だ」と感じる範囲で、
リラックスしながら少しずつ柔軟性を
向上させていくことがポイントです。
安全な範囲を越えると、
「危険!直ちに緊張して固めて」
という反応を起こすので、
焦らずにじわじわと身体を騙していきましょう。
効果的なストレッチを行うための
4つのポイントについてご紹介します。
①息を吐きながら伸ばす
呼吸を取り入れることで、
筋肉の緊張を緩めます。
息を止めると血流も悪くなり
緊張モードになりますが、
深呼吸をすることで体がリラックスしやすく
なるため無理なく伸びるようになります。

ストレッチする前に、深呼吸をして体を落ち着かせる。
ストレッチ中は息を吐きながら筋肉を伸ばし、無理のない範囲でリラックス
30秒以上かけてゆっくりと呼吸しながら伸ばしていきましょう
②体が温まった状態でストレッチする
体が冷えている状態でいきなりストレッチを
行うと、筋肉や関節周りの組織が硬直しているため
伸びにくく、ケガもしやすくなります。
体が温まった状態でストレッチを行うと、
柔らかく伸びやすくなります。
運動後や風呂上がりで体がポカポカ
血流が促進され、筋肉が緩んだ状態でストレッチを行う
体が「ここまでなら安全」と感じる範囲が広がり、深いストレッチができる
③フォームローラーを使用する
フォームローラーは、ピンポイントで
ほぐすのに役立ちます。
痛みやこわばりを感じる部分に
ローラーを使うことで、可動域が
広がりやすくなります。

足をフォームローラーに乗せて、コロコロ転がす
ゆっくりとした動きでローラーを転がし、筋肉の張りをほぐす
ローラーを外してストレッチを行うと普段よりスムーズに伸びる
④動的ストレッチと静的ストレッチの使い分け
ストレッチには、動的ストレッチと
静的ストレッチの2つの種類があります。
動的ストレッチ
ラジオ体操のような軽い動きで筋肉を温め、
関節の可動域を広げていきます。
体を動かしながら行うことで、
血流が良くなり筋肉がほぐれるため、
ウォーミングアップとして行うストレッチです。
動的というとグイグイ伸ばすことを
イメージしますが、
反動をつけて急激に伸ばすのではなく、
身体を温めて軽く伸ばしていくイメージです。
静的ストレッチ
体が温まった状態で、
ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチです。
ゆっくりと時間をかけてストレッチを行い、
各ポジションを15〜30秒キープすることで、
深い筋肉の伸びが感じられます。
静的ストレッチは運動後に行うと効果が高く、
柔軟性向上にも役立ちます。

まとめ
柔軟性を高めるには…
・呼吸をしながら時間をかけてじわじわ伸ばす
・身体が温まっている状態でストレッチする
・フォームローラーを使用する
・運動前で体が冷えている時には、軽く動きながら伸ばす
この4つのポイントが大切です。
じっくりと伸ばしていくことで、
徐々に体が思う「安全な」範囲を
広げていきましょう。
今回はストレッチの方法をお伝えしました。
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