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年の初めに。。
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「あぁ、いらっしゃーい。今年もどうぞご贔屓に」
「こんちは〜。こちらこそ、今年も世話かけるね」
「いいお正月でしたか?」
「今年は特に、なんかあんまり正月感なくてね。
元旦から酷いニュースばかりだしさ」
「本当ですね〜、日本は最悪なスタートになっちゃいました」
「自然災害に戦争、政治経済も、
日本はもう、正月すらのんびり楽しむことの出来ない国なのかね〜」
「そう考えるとやり切れません」
「まったくね。災害や大病、有名人が亡くなったなんて話の度に、
人が生きるってことを改めて考えさせられるよ」
「人生って何なんでしょうか?」
「あぁ。おぎゃ〜と産まれて物心ついた時にはもう、この人生ってやつに
放り込まれていてさ、そこに始めるかどうか?なんて聞かれることもなく
スタートするのがこの人生でしょ」
「えぇ、やるかどうか?聞かれませんでした 笑」
「人生の取扱説明書なんてものもなしに、リハーサルも練習もなしに、
この人生を始めなきゃならないんだ。
それは間違いや失敗、挫折もあって当然だと思わないか?」
「そうですよ、人間ってすごいことをやってるわけです」
「でも社会はさ、それを許さない。出来て当たり前、
出来なきゃ落伍者の烙印押されて負け組とされる。
見た目と金が全てのこの世界で、自分自身を貫き通すなんて不可能に近い。
無理をすれば精神的におかしくなっていくだけさ」
「それ故のニートや引きこもり、犯罪ですよね」
「こんな世の中でさ、そうならないで私は幸せです!なんて、
毎日平々凡々と生きてる人の方が、精神的にどうかしてると思わないか?
この人生、一度でも自殺を考えたことのない人を僕は信頼出来ないな」
「これからの時代、人が幸せに生きるってどうしたらいいんでしょうね」
「いい意味での、常識的な意味での、つまり他人に迷惑をかけないという意味で、
自分ファーストに生きることだと思う。人生の最後、まさに今亡くなるという時、周りの人にこの人はいい人だったと言われることに一体どんな意味があるのさ?」
「真面目で礼儀正しくて、常に自分より他人を優先して生きることなんて、
日本人なら素晴らしいって手を叩くんだろうけど、それもさ、
自分が真から行なっていることじゃなくちゃ意味がない。
他人によく思われるためにやっているんだとしたら、それは醜いことだよね」
「なるほど、そうかもしれません」
「この人生、他人に褒められることにあまり大きな意味はないんだよ。
それよりも自分がどれだけ満足して生きられたか?
それだけが大事だと言ってもいい。そのためにどんな苦労をしたとしても、
望みを果たせず、結果を出せなかったとしても、自分の意思で決め、
自分の意思で進んだということが、最終的には満足感につながるんだ」
「自分の人生だということですね!」
「そう。親や他人の意見で作られた人生に、幸せも満足感もあるわけないんだよ」
「どんなことでも自分で決める、今はなかなか難しいことかもしれません。
親や他人、自分の能力なんかを判断材料に決めることが多いと思うんです」
「よく人は言うじゃない。若い時に一所懸命稼いで、
引退したら好きなことを存分にやるんだってさ。でもね、
その頃には病気をしてたり、体力が落ちてたり、身体が痛かったり、
出来ないことがずいぶん増えていることを知らないんだ。
若い頃には簡単に出来ていたことが、年齢を重ねると、
するのが難しくなることを、その時にはわからないんでいるんだよ」
「それは本当にそう感じますね」
「あの時やっておけば。。って後悔することになる。この人生は短い。
本当に短いんだ。考えている暇、他人の目を気にしている時間なんてないんだよ」
「時は今!」
「いつだって時間は「今」しかない。過去や未来に手を出すことは出来ない。
人間が唯一何か出来るとしたら「今」だけなんだ」
「今に出来ることは些細なこと、本当に小さな一歩だけかもしれない。
でもそれでいいんだ。その一歩は必ず次の一歩につながる。
その繰り返しで、いつの間にか大きなことを成し遂げていたことに、
後になって気づくんだ」
「年明けに、とてもいいお話が出来ました」
「長話したら、喉乾いちゃった 笑」
「あぁ、すみません、コーヒー入りましたよ」