セコイアの木からオリーブの林へ、コミューンは広がる:カルポリ゠ハンボルト校の樹木占拠からの声明
原文:https://ja.crimethinc.com/2024/04/29/from-redwood-trees-to-olive-groves-the-commune-grows-a-statement-from-the-tree-occupation-at-cal-poly-humboldt
原文掲載日:2024年4月29日
今日時点(2024年4月29日、月曜日)で、米国中の何十もの大学でガザに連帯するテント村や建物占拠が行われ、世界中でも現れ始めている。警察は既に抗議者達を標的にした獰猛な襲撃を何度も行っているが、多くの場合、抗議者は屈せずに戻ってきたり、警察に立ち向かったりしている。
最も激しい占拠の一つが行われたのは、カルポリ(カリフォルニア州立工科大学)ハンボルト校(拙訳)で、学生達は校舎を占拠し、大規模な警察の攻撃を切り抜け、警察をキャンパス外に撤退させた。
今日現在でカルポリ゠ハンボルト校の占拠は一週間になり、今も断固として続いている。学校は卒業まで閉鎖される。現在、地元・州・連邦の各機関はテント村を襲撃するために部隊を集めている。
この重要な局面で、私達は、カルポリ゠ハンボルト校のテリトリーを確保するために樹木占拠を行っている人々から声明を受け取った。ここに、この声明を、占拠された大学の画像と、他大学でテント村に参加している人々に向けたカルポリ占拠参加者による呼び掛けの動画と共に紹介する。
(他の大学でテント村に参加している人々に呼び掛けるカルポリ占拠参加者。デモ参加者の安全のために映像をぼかしているが、音声を聞いていただきたい。)
セコイアの木からオリーブの林へ、コミューンは拡大する
パレスチナ連帯を激化せよという呼び掛けを聞いた。私達はそれに応え、木々の中でデモをしている。
私が座っているセコイアの木の枝からは、右手に海が、左手に森が見える。普段は、都市の景観を眺め、植民地のインフラがその目的のために先住民の土地を作り変えているのを見るのは苦痛だ。だが、今日、こうしたミッションスタイルの建物が「パレスチナに自由を」「先住民に故郷を返せ」という呼び掛けで覆われているのが見える。私達のバリケードに守られながら衣食を共にしている人々で埋め尽くされたキャンプが広がり、どんどん増えている。医療従事者が人々に水分を補給している。子供達が遊んでいる。アーティストやミュージシャンが創作している。菜園がどんどんできている。至る所で新しい世界が生まれているのだと感じる。このヴィジョンをかき立てているのは勇敢な占拠者達の戦闘的炎だ。全てを守りたいという願望だ。警察が私達に嫌がらせをしようとしたり、バリケードを撤去しようとしたりするたびに、警察を追い出したいと切望するのである。
これまで私達の占拠が成功したのは、退却を拒否しながら、適応する能力の結果だった。私達は自然から多様性が生態系をより弾力的で活力に満ちたものにすると学んでいる。同じことが私達の運動にも言える。私達のキャンプには一つの視点・戦術・声だけがあるのではない。全員の代弁者などいない。私達を結び付けたのは、この大量虐殺に対する共通の憤りだった。私達を結び付け続けているのは、解放に向けた激化への・互いの自主性を守ることへの・この闘争の中で共に生き方を育むことへのコミットメントである。
私達は、攻撃的立場を維持するには戦術の多様性が重要だと認識している。戦術を拡大するために、私達は、ハンボルトと呼ばれているこの場所で個々人が行ってきた帝国に対する闘争の歴史に目を向けている。環境保護活動家で「アース゠ファースト!」の活動のために運転中の車を爆破されて濡れ衣を着せられたジュディ゠バリは、地球の破壊とあらゆる抑圧を止めるためにはグローバル資本主義機構を終わらせねばならないと語っていた。私達も同感だ。この樹木座り込みは、こうした繋がりへの・この大量虐殺を止めさせようと奮闘している全ての人々への・世界中のパレスチナ人へのラブレターである。偉大なる古木の中で、樹木座り込みは反抗的な希望--主体性を選択する方法としての希望--の象徴なのだ。世界そのものに対する新たな視点への招待状なのだ。
この樹木座り込みは、トルトゥギータへのラブレターでもある。トルトゥギータは2023年1月18日に26歳だった。この日、彼はウィーラウニーの森でジョージア州兵に殺された。当時、彼等はコップ゠シティ計画から森を守っていた。コカ゠コーラ・ウェルス゠ファーゴ・デルタ航空・UPS・ホーム゠ディーポ・エクイファクス・ジョージア゠パシフィックなどが出資するコップ゠シティは巨大な模擬都市建設のために森林を伐採するプロジェクトである。ここで米国警察が都市戦争の訓練を受ける。イスラエル占領軍が契約を結び、アパルトヘイトを強制する技術を米国警察に教える予定なのだ。これはこの国中で計画されている多くのコップ゠シティの一つに過ぎない。パレスチナを解放する闘争と私達自身を解放する闘争は密接に絡み合っている。軍と警察はこうした繋がりを見抜いている。私達も見抜かねばならない。
この繋がりは、歴史の知識と過去一週間の自分達自身の経験と共に、私達に示している。大量虐殺に終止符を打ついかなる闘争も、警察そのものとの闘争を必ず含む。丁度、大量虐殺に終止符を打つことが、抽出主義の植民地資本主義を止め、気候混乱の原因を止め、私達が生きている現在進行形の帝国主義の悪夢に終止符を打つことを意味しているのと同じである。
警察と軍隊は、より良い世界を求めて実際に闘う人々に対して行使される究極の脅威である。私達は、少数の人々が勇敢に警官のいないゾーンを創り、防衛しているおかげで、たった一週間でこれほど自然に開花した美しいもの全てを目の当たりにして刺激を受けている。私達が活動しているのは、現在存在する世界の悪夢を破壊するためだけではない。来るべき世界の種子を守り、生きる価値のある人生を守り、他者と分かち合うためでもあるのだ。
「第一世界諸国」で闘争が牙を剥かず、連帯と「土地返還」を象徴的身振り以上のものとして具体化し始めないのなら、こうした帝国の戦争は終わらない。私達は普通には戻れない。普通とは日々パレスチナ人の大虐殺を無視し、そもそも幸福をもたらさない回し車のような労働で惨めな生活を送ることだ。普通とは給料を稼ぎ、10月7日以降に殺された14000人のパレスチナ人の子供達に背を向けることだ。この占拠は示している。全てを止めて回し車から降りれば、コミュニティと無限の可能性が待っているのだ。
私達は生者のために戦い、金と戦争の帝国が歩の途上で残していった死者の足跡を悼む。私達は皆さんを、ここでは語りつくせないほど多くの人々がいるが、このグローバル帝国の手で殺された皆さん全員を追悼する。
Haya Sharif Bakr Al-Batniji. George Floyd. Ibrahim Amma Saad Al-Qara. Sandra Bland. Sham Abdul Karim Ibrahim Al-Hato. Treyvon Martin. Hosni Mohamed Hosni Muhareb. Toypurina. Musk Omar Kamel Abu Rahma. Tortuguita. Adam Youssef Muhammad Al-Hila. Josiah Lawson. Zeina Hossam Jamil Al-Zaanen. David Chain. Sondos Ziyad Mahmoud Al-Azaib. Rayshard Brooks. Malik Youssef Omar Sharaf. Avalon. Mansour Hamada Monsour Sobh. Berta Isabel Caceres Flores. Marie Ihab Darwish Gouda. Fred Hampton. Zakaria Imad Abd Muheisen. Nex Benedict. Khalaf Fawzi Muhamma Al-Sawarka. Rachel Corrie. Shireen Abu Akleh. Al-Jarrah mahmoud Misbah Al-Khor.
そして、さらに多くの人達。私達はあなた方を失望させません。