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サパティスタ、7世代以内に資本主義が崩壊すると予想

原文:https://freedomnews.org.uk/2025/01/08/zapatistas-suggest-fall-of-capitalism-by-2150/
原文掲載日:2025年1月8日
著者:ソニア゠ムニョス゠リョルト

オベンティクでの国際集会で、サパティスタ゠コミュニティは最近の攻撃を非難し、「共有地における命のための構築」を切望する。

12月28日から30日にかけて、メヒコ南東部のEZLN解放地域のオベンティクで「叛乱と抵抗の国際会議2024-2025」の第1回会合が開催された。この集会の政治的焦点は、「命のための宣言」邦訳)に反映されているように、サパティスタ゠コミュニティが経験した組織的変革だった。同時に、欧州の活動家に向けた特別なメッセージも含まれていた。

集会の初日、3つの円卓会議で、サパティスタが「嵐」と呼ぶものに関する綿密な分析が発表された。資本主義の闘争を推進するために土地を私有化し続け・民衆から略奪し続ける、国境を越えた危機と代理戦争についての分析である。過去3年間、この地方の先住民コミュニティに対する攻撃が激化している拙訳)。そこに関与しているのは国家の軍隊・準軍事勢力・麻薬カルテルであり、グアテマラとの国境で作戦行動を行っている。

初日の「女性のテーブル」には、EZLN先住民革命秘密委員会‐サパティスタ自治政府共同議会の総司令部と当局から女性司令官数名が、先住民族・コミュニティの家「サミール゠フロレス゠ソベラネス」のオトミ族同志アンセルマと人類学者シルビア゠マルコスと共に参加した。彼女達は、健康・教育・土地に焦点を当てながら、家父長制暴力に対して先住民族女性が日常的にどのように活動しているかを説明した。

女性達は、民族の習慣に対する資本主義の脅威への抵抗を支援するために、他の先住民コミュニティとどのように連絡を取り合っているのかを強調した。こうした脅威には、アルコールやドラッグ・政府の支援の受け入れ・一部の民族が受けている文化的ホワイトウォッシングによる先住民としてのルーツを否定がある。

翌日、モイセス副司令官は、「サパティスタ゠コモンの系譜」という発表で、土地収奪の歴史的発展と、彼の祖父母の時代に土地がどのようにコモンズ(エル゠コムーン)として組織されていたかを語った。メヒコの文脈で共有地の収奪を視覚的に説明しながら、彼は、脱植民地化に向けた政治的道筋が100年前に既に選択されていたこと、そして過去の組織形態から私達がどのように学べるのかを伝えた。彼は、資本主義システムに対する集団的抵抗の必要性、そして尊厳ある怒りがどのようにしてサパティスタに日常生活の中で命のために戦う実践を与えているのかを明らかにした。

モイセスは付言した。サパティスタ゠コミュニティは、戦争や銃弾ではなく、共有地における命のための構築を望む。何故なら、彼等にとって、私有財産には命がないからだ。また彼は、自分達の経験に基づき、そして他の地域にいる先住民コミュニティとの国際協力を通じて、自分達の政治戦略を調整し続ける、とも述べた。

この発表では、各コミュニティが、労働者として・自身のコミュニティの市民として、それぞれのコモンズを構築するにはどうすればいいのかという問題も提起された。本質的には、サパティスタが他のコミュニティと繋がりながら自治的に構築しているのと同じように、自分達で進むべき道を決めねばならない。

叛乱軍のマルコス大尉(元マルコス副司令官)は、「望楼:明日への兆候」と題した講演を行った。ここで彼は、大西洋の向こう側にいる人々(つまり、欧州の私達)に向けてメッセージを発し、サパティスタが「翌日」と呼ぶことに私達を着目させた。これは、闘争中に資本主義が崩壊した場合に起こることに備えるという意味である。今後120年もしくは7世代、この闘争は続くとサパティスタは示唆している。昨年、メヒコ南部での叛乱30年を記念して、EZLNはこの考えを論じた文章を発表した。この会議に先立ち、マルコスは「ͶÀTIꟼAƆ ⅃Ǝ」という筆名で一連の考察と物語を発表し、この命題の緊急性をさらに高め、読者にこの課題を突き付けた:

 あなたが、あるコミュニティにいると想像してみよう。より具体的に言えば、そのコミュニティの集会にいる…そしてその翌日を。電気もなく、プリペイドの携帯電話やレンタルプランもなく、「インターネット゠フォー゠オール」もなく、イーロン゠マスクや彼に相当する地方版の小規模サブスクもなく、庶民の暴動や蜂起に耐えられるよう設計された自家用車(サイバートラックへの追加装甲は別料金)もなく、もう1台の車を動かして(権力の座にある政府と企業を罵りながら)シグナルを探しに行くための化石燃料もなく、「全てが含まれた」(つまり、あなたに奉仕しながら生き・繁殖し・死んでいく労働力を含む--私が「搾取」への言及を優雅に避けたことにお気付きだろうか)別な惑星に連れて行く最新型星間ロケットの切符を買う可能性もない。
 もはや1つとして可能なものはない。もちろん、この仮定のシナリオでは、あなたは全てから隔離されたコミュニティの集会にいる。何故なら、もはや「全て」は存在しないからだ。
 数人があなたと一緒にいる。社会の萌芽を始めるために、そのコミュニティの集会で、自分が何者か・何を知っているのか・何をできるのかを各人が語り、どうするのかを提案し・議論し・合意する。彼等は組織を作ろうとする。そう、実は私が述べているのは、先住民コミュニティ集会で現在起きていることなのだ。
 そして、先住民コミュニティ集会と同様、会議は、目的を設定し、何を・どのように・誰が・何処で・何時すべきかを提案し・議論し・合意する。この仮定の集会で、あなたは情況のために参加せざるを得ないわけだが、目的は…やり直すことである。
 だから、挑戦を続けよう。あなたは想像する・この情況に身を置く・あなたが知っていた世界は何らかの理由で崩壊したのだ。

集会の最後の数日は文化的活動に焦点が当てられた。そこには1994年1月1日のサパティスタ蜂起31周年を記念した「崩壊と翌日。部分と全体。12の場面の演劇」と呼ばれる演劇が含まれていた。