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第八章 平等の理念とボルシェヴィキ

原文:http://www.spunk.org/texts/writers/makhno/sp001781/chap8.html
初出:Dyelo Truda(労働者の大義)、第9号、1926年2月、9~10ページ

ロシア共産党第14回大会は平等の概念を全面的に非難した。大会に先立ち、ジノヴィエフは、ウストリャーロフとブハーリンに対する論戦でこの理念に言及した。彼はその時、現代哲学全体が平等の理念に支えられている、と宣言した。この大会でカリーニンは、この主張に対して力強くはっきりと反対し、平等へのいかなる言及も有害にならざるを得ず、容認してはならない、という立場を取った。その理由は以下の通りである:

平等について農民と話せるだろうか?できない。論外だ。できるなら、農民は労働者と同じ権利を要求しようとし、プロレタリア階級独裁とは完全に矛盾する。同様に、労働者と平等を語れるだろうか?できない。これも論外だ。例えば、共産党員と非党員とが同じ仕事をしていても、前者は後者の2倍賃金をもらっているという違いがある。平等を是認すれば、非党員が共産党員に支払われているのと同じ給料を要求できるようになる。同志諸君、これを受け入れられるだろうか?受け入れられないのだ。では、共産党員の間で平等を要求できるだろうか?これもできない。党員もまた、権利の面でも、物質的情況の面でも、それぞれ違う立場にいるからだ。

カリーニンはこうした考察に基づき、ジノヴィエフが「平等」という言葉を使ったのは煽動的で有害でしかないと断定した。ジノヴィエフは、これに対する返答の中で、大会に対して、自分は平等について述べたが、それは全く異なる意味だった、と述べた。彼としては、「社会主義的平等」、つまり、多少なりとも遠い将来に認められる平等を念頭に置いていた。世界革命が行われる時までは、そしてそれが何時なのか分からない以上、当面の間、いかなる平等もあり得ないのだった。特に、権利の平等はあり得なかった。非常に危険な「民主的」逸脱の方向に自分達を引きずり込む恐れがあるからだ。

大会の決議文には平等の概念をこのように理解すると明記されなかった。しかし、本質的に、大会で衝突した二つの立場は平等の理念を容認できないと見なす点で一致していた。

以前、さほど昔ではないが、ボルシェヴィキは全く異なる言葉を使っていた。ロシア大革命の最中、ボルシェヴィキの活動は平等の旗印の下で行われた。労働者・農民と協力し、ブルジョア階級を転覆するためである。労働者・農民の犠牲の上に、ボルシェヴィキはこの国に対する政治的権限を増大させた。こうした旗印の下で、ボルシェヴィキの皇帝どもは、旧ロシア--以後「ソヴィエト社会主義共和国連邦」として知られる--の勤労者の生活と自由を8年間に渡り支配し、この「連邦」の労働者(彼等が弾圧した)だけでなく、他国の労働者(彼等が未だ統制していない)も次のように説得しようとした。つまり、自分達が政治的敵対者を迫害し、牢獄に放置したり追放したりし、殺害する場合、それはもっぱら革命の名において、敵が破壊しようとしている革命の平等主義的基盤(彼等の言い分では彼等が革命に注入したとされる)の名において行われるのだ、と。

アナキストの血が流れされてから間もなく8年になる。アナキストは、権力を掌握した輩の暴力や傲慢の前に、有名な虚偽のイデオロギーと全くの無責任の前に、卑屈に頭を下げなかった。

血に飢えていたとしか言いようがないボルシェヴィキの神々の犯罪行為によって、革命の最良の成果は失われてしまった。アナキストは革命諸理念の最も忠実な主唱者だった。アナキストは賄賂で諸理念を裏切りはしなかった。革命の指針を誠実に守る中で、こうした革命の子供達はボルシェヴィキの神々の狂気をかわし、苦境を抜け出す途を見つけようとした。勤労者の真の自由・本物の平等に向かう道を切り開くためだ。

ボルシェヴィキの有力者にはすぐに分かった。こうした革命の子供達の大志は、自分達の狂気に、そして何よりも、没落するブルジョア階級から自分達が巧みに引き継いだ特権に破滅的結果をもたらし、その後、自分達の利益を危険にする程まで大きくなるだろう。こうした理由から彼等は革命家に死刑を宣告した。奴隷の精神を持つ人々が彼等を支え、血が流された。過去8年間、血は流れ続けている。何の名の下に?と問うかもしれない。勤労者の自由と平等の名の下に、とボルシェヴィキは言いながら、何千という無名の革命家・社会革命の闘士達を「山賊」・「反革命家」とレッテル貼りし、殲滅し続ける。

この恥知らずの虚言を使って、ボルシェヴィキはロシアの現状を、特に自分達の社会主義構築が破綻していることを、世界中の勤労者の目から隠してきた。だが、そんなことは見る人が見ればすぐに分かるのだ。

アナキストはロシア革命でボルシェヴィキが行った犯罪に注意するようすぐさま万国の勤労者に警告した。ボルシェヴィズムは、中央集権国家の理念を体現し、革命的勤労者の自由な精神にとって不倶戴天の敵だと露呈している。先例のない手段に訴えて、革命の発展を妨害し、革命の最も優れた面の名誉を汚している。うまく偽装して、労働者が注視しても真の顔を隠し、労働者の利益の擁護者に成りすましている。統治から8年経った今になって、徐々に国際ブルジョア階級にすり寄り、革命の仮面を脱ぎ捨て、強欲な搾取者の顔を労働者の世界に晒し始めている。

ボルシェヴィキは、実践的にも理論的にも平等の理念を捨てた。今や平等理念の表明そのものを危険視している。これは充分理解できる。ボルシェヴィキの支配全てが平等と真逆の概念に依存しているからだ。悲鳴をあげるほど激しい不平等に依存しており、その恐怖と弊害全てが労働者の背後で大きくなっている。万国の勤労者が必然的結論を導き出し、その結果、ボルシェヴィキと断絶すると期待しよう。ボルシェヴィキは、奴隷制理念の主唱者・労働者の圧制者なのだ。

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