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スペイン:総選挙に関するコメント

原文:https://freedomnews.org.uk/2023/07/29/spain-comments-on-the-general-election/
原文掲載日:2023年7月29日

左翼と右翼が膠着状態にある中、サンジカリスト労組のCGTは、極右が入閣できなくとも脅威は変わらず、どの政党が勝利しようとも直接闘争なしに労働者階級の改善は期待できない、と指摘している。

7月23日、スペインで新たな選挙が行われたが、いつものことながら、労働者階級の情況変革は筋書きの中になかった。様々な選挙が行われてもその結果は、ブリュッセルのトロイカ体制が定めた欧州主義政策の継続をもたらすだけだった。

忘れないようにしよう。投票率は上がったものの、またもや、投票権を行使しないと決めた人が一千万人以上いるのだ。

こうした棄権票の数は、数十年にわたってCGTとアナルコサンジカリストがもっと一般的な形で表明してきた立場を補強している。つまり、自主組織・相互支援・連帯に基づく社会を創造する必要がこれまで以上に必要なのだ。極右が政権を樹立できないという理由で極右を阻止したと考えるのは大きな間違いだ。本当に懸念し、阻止しなければならないのは憎悪のメッセージである。憎悪のメッセージは、これまでかなりの間、社会の一部に浸透し、私達の自由を、そしてLGBTQI+運動や移民運動といったグループの権利を直接攻撃している。

昨日の選挙の結果は、結局、現在の連立政権が再選されて終わるかもしれない。これは、極右に対する唯一の現実的選択肢であるにも関わらず、安心感を与えてはくれない。何度も何度も、この政府が労働者階級に背を向け、政府が代表していると称している側ではなく、経営側・資本主義利権の側に付いてきたことを思い出すだけで充分である。

箝口令は今も有効である。PP(国民党)PSOE(スペイン社会労働党)の労働改革はまだ撤回されていないが、実際は、改革の最後の試みは希釈され、驚くべきことに、経営側自体が支持するほどまでになってしまった。社会保障改革は、私的年金制度の強化と推進を伴う年金民営化、教育・保健・輸送など基本的な公共サービスの段階的民営化をもたらしている。移民の大多数を無権利者にしながら、彼等を村落に閉じ込めて大抵は半奴隷のような酷い条件で仕事をさせ続けている外国人法は言うまでもない。

この観点から、CGTは一層明確に認識している。極右と戦い続け、もっと公正なフェミニスト社会への道を切り開くためには、法改正を強要する圧力モデルとして自主組織の場を構築しなければならず、そうした場において、階級主義で戦闘的な労組が、社会運動に支持されつつ、役割を果たすことが重要なのだ。

私達が求めるこうした社会変革は、単独で生じるものではない。社会変革を達成するためには、私達が今後数年で行う結集行動が不可欠となろう。4年ごとに行われる投票で未来を少数者の手に委ねて、市民が満足できるはずはなく、満足すべきでもない。労働者階級は理解しなければならない。強力な社会的結集行動がなければ、誰が政権の座にいようとも、経済大国の意のまま・指示のままに政策決定をするのである。

闘争こそ唯一の道なのだ!

CGT連合委員会常任事務局

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