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爆心へ To Hypocenter vol.1

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トリニティでの原爆実験、その後に続く広島、長崎への原爆投下から80年を迎える2025年。 日本国内外で活動する現代美術作家、キュレーターが中心となり、プロジェクト「爆心へ/To …
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#爆心へ

爆心へ / To Hypocenter

文:三上真理子 Text: Mariko Mikami  *English follows このプロジェクト名を決めるとき、気になったのは、助詞の「へ」。 この「へ」は、爆発の中心に向かっていく移動を示す矢印としての「へ」と解釈することもできるし、私が最初に想像したように、手紙を綴るときの「親愛なる〜/Dear」としての「へ」と読むこともできる。 これまで、メンバーとの対話や書籍や映像を通して、同じ「爆心」においても、体験した人によって見え方がまるで違うことーー例えば、

におう / When We Were Together Inhaling the Same Scent

文:小林エリカ Erika KOBAYASHI    *English follows Japanese これは、「水爆の父」とよばれたアンドレイ・サハロフ博士の言葉である。 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの本の中に、アレーシ・アダモービッチとの対談の中で語られた言葉として、引用されている。 These are the words of Dr. Andrei Sakharov, known as the 'father of the hydrogen bomb.'