反応
高校で受けたこどもの発達についての授業で印象的だった話。生まれたばかりの頃は、出来事に対する反応が快か不快かの二種類しかないが、成長するにつれて段々と、喜怒哀楽や恥ずかしさ悔しさといった複雑な感情を知っていくらしい。感情というのは、目の前のできごとに対しての後付けの脳の反応でしかないんだけど。感情が複雑化していく図を見たのを憶えている。
人間修行十九年目、最近のわたしは、猛烈にうれしいことがあると、同時に猛烈にかなしいことを思い出してしまうようになった。この反応は、感情とはすこし違うようにも思えるが、他の人も、もちえる感覚なのだろうか。なんで、正反対のことが一度に脳みそに湧き上がってくるんだろうね。もしかしたら、かなしいはいつだって、うれしいを失ったときの反応でしかなくて、かなしいを伴わないうれしいはあっても、うれしいを伴わないかなしいはないのかもしれない。
おとなになるというのは、経験を重ねることというよりも、だれもしらない複雑な感情と出逢うこと、それが世界の奥行きになるのだと今日、思った。
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