2023/1/23にあった面白いとおもったこと カレー論とトークライブ

今日はウーバーをやった後、OKで買い物をしてカレーを作った。その後、南阿佐ヶ谷でトークライブに出た。不思議なライブだった。

カレーをおいしく作るにはなにが必要なのかと考える。市販のカレールウを使うのだから多くの家庭と差をつけることは難しい。差が出ないことがカレーのすばらしさのうちの一つであろう。
そういった中で差をつけるのに必要な要素は何か。それは具材の下ごしらえにある。ルウを溶かす段階に入ってから差をつけるには煮込み時間の長さくらいしか差がつけられない。下ごしらえにこそカレーの神は宿るのだ。
まず、肉に火を通す。これにより、肉から油が出てサラダ油などを加えなくて済む。サラダ油はおいしさというよりも鍋への焦げ付きを防ぐ効果を期待する側面が大きい。よって、雑な味が混ざらなくて済む。
鶏肉を使う場合、皮から焼く。鶏皮は油をたくさん持っている。先に火を通すことで、十分な量の油が出る。これは、日本ハムファイターズから巨人へ移籍した中田翔選手がオフの自主トレの際に鶏皮を残しているところからヒントを得た。中田選手は、この皮について一番おいしいけど残す。油が多いので。と言っていた。カレーを作らんとする我々には、うまみの凝縮された油が多いことはむしろ歓迎だ。
豚肉の場合、脂身と切り離すことは難しい。なるべく鍋底に平たく伸ばして少し弱めの日でじっくり油を出してやる。
この肉を炒める際に胡椒多めの塩コショウやニンニク、少量のコンソメを入れてやると完成時の味の奥深さが変わってくる。塩分を気にする場合は胡椒のみでも構わない。ニンニクの投入は好みであるが、よりパワフルなカレーができるのでお勧めだ。
牛肉は高いので作ったことがない爆 牛肉はサラダ油が必要だろう。たぶん。

次に野菜だ。私は基本的に玉ねぎと人参しか入れない。ジャガイモを入れてしまうと夏場は特に腐りやすくなる。また、すぐにカレーに溶けてしまい必要以上にカレーに粘り気を出してしまう。どうしてもジャガイモが欲しい場合は、別で蒸かして最後に乗せるくらいがおすすめだ。
カレーにはなぜ野菜が必要か考えたことがあるだろうか。それは野菜から出る出汁がカレーをさらにおいしくするからだ。決して、肉と油で構成されるカレーに対する罪の意識を和らげるためではない。野菜からのうまみを出すためには、どうしてやればいいだろうか。野菜の細胞内のうまみを取るのだからなるべく小さめに切ってやるのが良い。すぐに溶けて姿を消してしまうだろう。姿が見えなくなっても、出汁という形でカレーに残り続ける。そこに確かに野菜が存在していたことを確認することができる。
ゴロゴロ野菜のカレーが好きだという方にはまず、小さく刻んだ野菜でカレーを作り、別のフライパンで炒めた野菜を入れるとよいだろう。炒めることで程よく締まった野菜は口に入れれば確かな食感を楽しめる。
野菜は煮込めば煮込むほど溶けていき、おいしくなる。ここで異論が飛んでくる。たかがカレーにそこまでの労力がさけるか、と。17時に調理を開始し、19時の夕食にはカレーを食べたいと思っている諸君のなんと多いことか。そこで、ここだけの裏技を教えようと思う。これは、私が大学2年の夏に発見した技だ。それは、具材の煮込みに水ではなく野菜ジュースを使うことだ。野菜のうまみを出すために必要な野菜の姿が消えるまでの煮込み時間、これは野菜ジュースでよいのではないかと気づいた。さすがに水の代わりをすべて野菜ジュースにしてしまうのでは味が濃すぎる。1㍑の水が必要であれば、300ml程度を野菜ジュースにする。するとどうだろう。明らかに短時間で作ったとは思えないカレーが出来上がるのだ。野菜の各細胞からにじみ出るうまみを野菜ジュースはすでに絞り出した状態なのだからこの結果はうなずけることだろう。

一点気を付けていただきたいのは野菜ジュースの種類だ。最もおすすめなのは野菜100パーセント、砂糖無添加のものだ。トマトジュースはまだ食べられる。しかし、柑橘系が入っている野菜ジュースになるといよいよ厳しくなってくる。カレーとは別物の味になる。ギリギリおいしいといえるのはブドウ系野菜ジュースだ。意外と思われるだろう。あの毒々しい紫の液体は意外とカレーの水分としていける。もし冒険したいという諸君は試してみると良い。あくまでも私の感覚なので保証はできない。

野菜ジュースを使ったカレーは2時間程度で作ったとは思えない野菜の出汁が効いている。ただし、玉ねぎと肉の出汁がカレー全体に出きっていないので数日煮込まれたカレーとは劣ってしまう。その点に目をつむれば即席で作ったとは思えないものになる。ぜひ試していただきたい。

ここまで、聞いていかがだろう。うるせえバカと思っただろう。ただ、カレーが好きな私はカレーと真剣に向かい合いたいと思っている。だからこそここまで熱くなってしまうのだ。

私のカレー論の最後に、おすすめのカレールウを紹介しておく。私が出会って最もおいしいと思ったカレールウはSB食品のゴールデンカレー【バリ辛】だ。私はカレーは辛ければ辛いほど偉いと思っている。このバリ辛はしっかり辛い。一般的な辛口カレーに満足できていない人にはちょうど良く辛い。
また、このゴールデンカレーシリーズは使っているスパイスの種類が他のものとは明らかに違う。何重にも重ねられたスパイスの組み合わせが美味い。安物のカレールウもそれはそれでうまいのだが、小麦粉と油脂でごまかしている感が否めない。まだゴールデンカレーを食べたことがない方にはぜひ一度食べていただきたい。あの貧乏性でおなじみの私があまりの美味しさに、ひと箱100円のカレールウから、200円越えも珍しくないこのルウを買ってしまうのだから、本物だ。
他にも美味いルウとして、ジャワカレーがある。これは美味い。確かに美味いのだが、私の中でジャワカレーはジャワカレーであって、家庭のカレーの範疇を超えてしまっていないかと思う。あのドロッとして、油と肉という神経系に直接語り掛ける家カレーの中ではゴールデンカレーが首位を確立している。

ジャワカレーは言ってしまえば、来日1年目でホームラン王になった外国人助っ人のようだ。カブトムシで言えば、コーカサスオオカブトだ。圧倒的なパワーを持っているがそこには日本の血が流れていない感覚だ。なんとなく心から応援できない感覚になる。

カレーの話が熱くなってきた。スパイスが効いてきた。果たしてカレールウと言っていいのか議論が起こるだろうが、「ケララカレー」というものがヱスビー食品から出ている。これは美味い。本当に美味い。
ぜひ、公式サイトを見てほしい。スパイスが直にパッケージされているカレーだ。これを手羽元で作った時、口の中は現地にひとっとびだ。しっかり辛いスパイス。さらさらとしたルーがコメの隙間に入り込む。この美味しさは一度食べたものしかはかり知ることができない。
ただ、ここまで来るといよいよメジャーリーガーだ。メジャーの瞬足の選手のような圧倒的なスピードだ。選手(カレー)自身の眼中に日本はない。俺はインドというカレーのメジャーリーグの中で認められた選手だ、日本のファンは指をくわえて見てなとでも言わんばかりのプライドの高さがうかがえる。カブトムシで言えばまさにヘラクレスオオカブト。日本のカレーがポケモンなら、ケララはグランドセフトオートだ。これらの表現が大げさすぎると思うだろう。しかし、これを食べた者はみな納得する。

ただ、ここまで誇張してこのジャワ、ケララを評したが好みはある。私としては、やはり日本国民として、一本やりのカブトムシ、精神論で鍛えた阪神 福本の足、日本の八百万の神・神道的発想から生まれたポケモン(いま勝手に書いた)、これらを土着の文化というだけで愛してしまう。どれを愛そうが自由なのだ。

さて、カレーの話は以上にしておく。今日のライブは終始不思議な空気でおこなわれた。前回、いち・もく・さん くぼたさんとうすくら屋さんのライブに出た時の変な感じだった。そのときはくぼたさんが本気めでアドバイスをしていたが今回はくぼたさんはおさえめだった。
楽しかったのでまた参加したい。次は私の手作りカレーを振る舞うライブがしたい。保健所の目を盗んで。

今日面白いと思ったのは「カブトムシの例えはいい感じだとおもった」ことだ。

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。