"イジメ"を緩和するには、複数のコミュニティに属するしかないのでは。
今日、こんな記事を読んだ。
読んでいて、とても胸が苦しくなった。
大阪府泉南市で13歳の中学1年生の男子生徒が自ら命を絶った内容だ。この生徒は学校でのいじめを担任に訴えていたが、その主張は信用されず、結果として不登校となっていた。
不登校の中学生は20人に1人に上り、その数は年々増え続けているようだ。また残念なことに、小中高生の自殺者数も過去最多を記録している。
イジメの根底にある行動や心理的なメカニズムは、生物学、特に進化生物学の観点から理解することができる。その中でも、人間の社会的な動物としての性質や、ヒエラルキーを形成する傾向、さらには競争や資源へのアクセスなどの観点が重要となる。いくらAIが進化しても、人間の心と身体は、数万年前の構造がベースになっている。
社会的な動物としての人間: 人間は社会的な生き物であり、集団内でのステータスや地位を非常に重視する。イジメは、個体が集団内で自身の地位を確立または向上させるための手段となりえる。この動機は、人間が長い進化の歴史の中で生存と繁栄を達成するために発展した社会的な戦略の一部であると理解されている。
ヒエラルキーと競争: 自然界において、多くの種が何らかの形で社会的なヒエラルキーを形成する。これは、資源へのアクセスや繁殖の機会などを競うための戦略だ。人間も例外ではなく、ヒエラルキーの頂点に立つことで、自身の利益を最大化しようとする。イジメは、このようなヒエラルキーの形成や維持に関与していると考えられている。
排他的行動: イジメは、ある集団が他の個体を排除しようとする行動としても現れる。これは、競争相手を排除することで資源を独占しようとする動機から生じる可能性がある。人間の集団内では、これが文化的な違いや個人的な特徴など、さまざまな形で表れることがある。
日本の小中学生は、非常に狭いコミュニティに押し込められる。そしてそれは、自我が芽生え出して初めて向かえる集団行動である為、本能として備わってるヒエラルキーや競争能力が存分に発揮されてしまうのだ。なので、根本的にはイジメの解決は不可能だ。
だからこそ重要なのが、複数のコミュニティに属することだと思う。勉強やスポーツ、習い事など、なるべく、それぞれのメンバーが被らないようなコミュニティに属することで、相対的にそのコミュニティの重要性が下がり、イジメの緩和に繋がると思うのだ。
さらき、多種多様な人に触れることで、より客観的に自分の強さ弱さを知るだろうし、1つのコミュニティで馴染めなかったら、別に、抜け出せば良いのだ。
不登校や引きこもりは決して悪いことではないし、落ちこぼれではない。この世の中で、たった1つのコミュニティに何となく合わなかっただけだ。
ましてや、これだけSNSで新しい情報が入っている中で、毎日同じ教室に行って、同じ席に座って、同じメンバーと暮らす、という生活に嫌気がさすのも無理はないと思う。