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「シズル感」がある味

冬場に入ると、柑橘系が美味しくなる。
とれたての柚子や蜜柑を使った期間限定の飲料も次々と出てくる。

先日も、限定の缶入り飲料を見つけたので、試しに1本買ってみた。
柑橘系で、さっぱりしていて甘すぎず好みの味。
気がつくと1本飲み干していた。

空き缶を見つけた家族に尋問され
一人で全部飲んでしまったことをお詫びし、また買ってくるから、と約束したが
「どんな味だった?」と聞かれてちょっと困った。
味を表現するのは難しい。
四苦八苦しながら、あれこれ言葉を並べていると、
「そういうの、シズル感がある、って言うんだよ」とのこと。
「そうなんだ」と答えたものの、なんだかよく分からず調べてみた。

第一製版のHPには次のように定義されている。

シズル感

語源は英語の「sizzel(揚げ物などがジュージューいう)」。色校正時などに用いられ、食べ物などの新鮮さ、瑞々しさ、焼きたての臨場感などを表す語。食べ物に限らず、人物や景色など、人の感覚を刺激するような時にも用いられる。

https://www.di-seihan.co.jp/words/article/article_304.html

また、キャノンのHPでは、こう説明されていた。

シズル感とは、もともとは広告写真(とくに料理写真)の現場で使われたみずみずしさを表すことばです。たとえば、湿度の高い部屋で冷えたコップに飲料を注ぐと、たくさんの「水滴」がコップの表面に付着します。飲み物をおいしそうに見せ、シズル感を演出する際に欠かせないのがこの「水滴」。このような撮影の現場で「もっとシズル感を出して!」と言われれば、被写体の水滴を多くしたり、ライティングを変えたりしながら水滴をさらに強調します。ほかにも、たとえばお刺身料理の撮影では、お刺身が乾燥すると新鮮さが表現できないので、「シズル感を出して!」と言われれば、刷毛でオイルなどを塗って新鮮さを演出します。 本来の「シズル(sizzle)」の意味はステーキなどの肉がジュージューと焼けて肉汁がしたたり落ちている状態をいい、そこからシズル感というようになりました。

https://personal.canon.jp/articles/beginner/glossary/sizzle-kan

今では、意味が広がって、「食欲をそそる」だけでなく、「購買意欲をそそる」場合にも「シズル感がある」と言うらしい。

最近のTVを見ていると、
食べる前に
「これ、絶対においしいやつ」と言い
実際に食して
「やばい」と「ジューシー」で終わっている食レポが多い。
それに比べると、「シズル感がある」はまだ具体的なのだろうか。

いやいや、他人のことは言えない。
まずは自分自身も、もっと味覚を表現できるようにならねば。