「育ちあい」
新しく組織に迎えた人材には、大きく育ってほしいと思います。そのためにさまざまな研修の制度を設けたり、育成のためのサポーターを配置したりと工夫をします。
昭和であれば、上の世代から何度も叱られるなかで、若手が少しずつ成長するというのがスタイルでしたが、今は、叱られると退職を選ぶ若者も多くなりました。そして、3年離職率が高い企業は「ブラック」とされてしまいます。ではどうすればいいのか。そんなことを考えているときに、「育ちあい」という新しい言葉に出会いました。
幼児教育の世界で、どうも平成の終わりごろから用いられている表現のようです。(きちんと確認できませんでしたが、この時期から現れるということは、新学習指導要領との関連もあるのでしょうか?)たとえば、次のように定義されているようです。
なるほど、大人が子どもを「育てる」のではなく、子どもと周囲の大人がお互いに成長していく、ということですね。
そしてその前提には「良好な交友関係」が必要。
関連して、「子どもの育ちを支える」という表現も見られます。この「育ち」は、「育ちがいい・悪い」という従来の使い方とは、少し意味が変わってきているようにも思います。心や人格の成長、とでもいうような意味でしょうか。
振り返って、社会人の育成も、従来のような一方的に「人材を育てる」という考え方はもう時代に合わないのかもしれません。
良好な関係を醸成し、上司も部下も(この言い方自体がもうダメかもしれませんが)「育ちあう」ようにすることが、離職率を下げるためには大事なのでしょうか。
さて、理念はそうだとして、どうすればできるのか…。幼児教育の世界から学べることはありそうです。