全速力で走って空を飛んだ

久しぶりにフルカラーの夢をみた。

青空が眩しい緑の山あいの高架、特急だか新幹線だかのような通り道を、どんどん加速して駆け抜けて、意を決したらふわりと浮き上がってとても気持ちよく下界を見下ろしながら空を飛び始めた。緑の山はもちろん、ビルが並ぶ都会も海も見える。何もかもが爽やかでキラキラしてる。バランスを保って飛び続けるのは爽快感あるけど、エネルギーもたくさん要る。

ひとしきり飛んで、ふと振り返ると、飛んで来た跡に白い構造物が見えた。一体どんなものだろうと、ふわりと振り子が振れるように来た道を逆戻り。
とはいえ、さっきほどの加速ではないので、その白い構造物を確かめるかのように降りてみる。
と……脆くて薄いプラスチックの積み木を寄せ集めたかのような物体で、降りた途端にぱりぱりに壊れてしまった。

ああ、あんなに意気揚々と気持ち良かったのに、
こんなものでしかなかったんだ……

そんな、がっかりで寂しい気持ちがいっぱいになって目が覚めた。
あまりにベタな象徴夢。まさに初老。

化猫、頑張って走り続けてきたけど、
やっぱり
こんなものでしかなかったんだ……

悲しすぎて眠れなくなった。

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