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明治時代から受け継がれる「振鈴」
現在下関駅では、TWILIGHTEXPRESS 瑞風の出発日に「出発セレモニー」が行われています。
そこで、出発の合図に使われているのが、明治時代後期に列車の発車を知らせるために使われていた大型のハンドベル・振鈴(しんれい)重さ7㎏です。
JR下関駅でも開業当初から使用され、代々引き継がれています。
振鈴はまず、発車の5分前に鳴らされ、1分前にはプラットホームで大きな音で鳴らされていました。
大正元(1912)年頃から全国の駅には電気ベルが導入され、振鈴は次第に使用されなくなっていきました。
実際に使用された手振りの振鈴で現存するものは下関駅だけと言われています。
貴重なものとして、振鈴は「登録鉄道文化財」に指定され、駅の駅長室に大切に飾られ保管されています。
老朽化で建て替えが計画されていた平成18(2006)年に、木造の下関駅舎が焼失する火災が発生。
そのとき、駅長室の箱に保管してあった振鈴も焼け落ちてしまったと思われていました。
数日後、がれきと灰が積もった駅長室の中から15センチくらいの丸い傘のようなものが発見されます。木製の握り棒は焼けてなくなっていたものの、これこそが振鈴だとわかり、その後は下関駅復興のシンボルになりました。
コロナ渦の現在、下関駅は県内駅でトップの利用者数を誇るでしたが、乗客数が減少し駅の活気がなくなってきました。
しかし、JR下関駅のスタッフと地元の応援団で瑞風の出発日に「出発セレモニー」で振鈴と下関駅長の「出発合図」を行っています。
その模様を、動画にしました。振鈴の音色をお楽しみください