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朝食は今日もパン
朝食にご飯は重くて苦手だという母のためか、我が家の朝食はずっとパンだった。
私自身パンが好きだし、夫もパン派だったので、結婚した今も朝食はパンだ。
物心ついた時から、私はずっと変わらずパンを食べ続けている。
朝はなかなか時間もない。パンを1枚か2枚焼いて、ヨーグルトを食べて、買いだめしてあるペットボトルのお茶で流し込んで出かける。
ある朝、実家に寄るとちょうど母が朝食を食べている時だった。
「少しつまんだら」と言いながら、母は私に紅茶を入れてくれた。
テーブルの上には、パンと、ハム、チーズ、ヨーグルト、そしてフルーツ。
温かい紅茶を飲みながら、そうだ、これがうちの朝食だったと思い出した。
同じように忙しい朝を過ごしていた筈だったのに、実家にいる時はその時間も家族の大切な時間として流れていた。
子ども達のために、という母の愛情を受けて。
冷たいペットボトルのお茶で食べるパンに比べて、入れてもらった紅茶で食べるパンはなんて美味しいんだろう。
紅茶とともにある朝食に、ほっとリラックスした朝だった。