サウジアラビア・アブハーで食べたアスィール地方の郷土料理 (アスィール料理/サウジアラビア料理/アラブ料理)
サウジアラビアで人気の避暑地・アブハー
サウジアラビア南西部にあるアスィール州の中心都市アブハーは、サウジアラビアの中で避暑地として有名です。
標高が2000メートルを超えているため、夏でも涼しくて過ごしやすいからです。長らく居候生活をしていたイエメンのサナアを思い出します♪
有名な観光地であるリジャール・アルマーもアブハーから車で45分位の場所にあります。
https://note.com/bahargul/n/n15d527951fce
ちなみにリジャール・アルマーはアブハーと違って涼しくないです。
私は人が混んでいない時が良かったので気温は度外視で特攻しましたが、現地の人は午後1時過ぎてから行くみたいです。
サウジアラビア政府もアブハーを観光地として推していて、フェスティバルも開催されており、観光客が最も訪れるシーズンは夏です。
アブハーは、欧米やアジアからはもちろんですが、現時点ではそれより湾岸諸国からの旅行者が多く、その中でもカタール人が多かったです。
アスィール地方とカタールの意外な繋がり
旅行で来るカタール人とは別に、実はカタールにはアスィール地方出身の部族(Qahtani、Shahraniなど)が結構います。
彼らは今ではカタールの国籍を持っていますが、定期的にアスィールに戻って来たり、親戚の一部はまだアスィールにいたりします。
なので2017年にサウジアラビアとカタールの国交が一時断絶された際には、国境を跨いで暮らす家族が互いに連絡が取れなくなるなど大変だったと聞きました。
当時はアルジャジーラ(カタールの衛星放送)も、チャンネルは存在していても、サウジアラビアからは観られなかったようです。
アブハーの人は親切で、距離感が近くて人懐っこく、旅行者慣れもしているので、楽しい旅行先だと思います♪ あ、でも何をするにもちょっとお金はかかるかな(笑)
ナジュラーンの人も親切ですが、アブハーの人はそれに都会的な社交性が加わった感じの親切さです。
ローカルマーケットでも売り場ごとに30分位話し込んでしまい、なかなか次のブースに進みませんでした(笑)
アブハーで食べたアスィール地方の郷土料理をご紹介
・アリーカ(Areekah, عريكة)
見た目が可愛いアリーカですが、とっても重たい食べ物です!(笑)
全粒粉の小麦粉と水またはぬるま湯(と少し塩を入れることも)を入れてこねたものを鉄板で焼いた後、端にデーツに並べ、真ん中に穴を開けて熱々のギーとハチミツをかけます。
モチモチした固めの胡麻団子のような食感と、お茶かのようにドバドバとかけられたギーにより、これを食べた後は6時間位何も食べられなくなりました(笑)
でも、朝ご飯として食べられるので、夜にドカ食いしなくて健康には良いかも知れません。
身体がとても温まるので、主に冬に食べられるものですが、アブハー出身の友達は、食べるのは週に一度位、コレステロール値が高いため、高齢者の方はあまり食べないと言っていました。
「そりゃそうだよな」と言うコメントしか出来ませんでした(笑)
アリーカは地域によって少しずつ作り方は異なりますが、特徴的な見た目で、見てすぐわかるはずです。
アスィール地方だけでなく、バーハやジザン、名前は違いますがナジュラーンでも食べられています。
・ハニース(Haneeth, حنيذ)
アスィール料理の代表格と言えるハニースですが、元々はイエメン料理で、ティハーマ(ざっくりとアラビア半島の紅海側のエリアの特に南部、海岸沿いの平野地帯)で広く食べられています。
https://goo.gl/maps/RE9jLEEkdzbW4Y6q9
アブハーの皆んなに勧められるだけあり、サウジアラビアで食べたものの中でベスト3に入る美味しさでした!!
カットした骨付きのマトンやチキンを石で出来た伝統的なオーブン(Muhannath)に入れますが、その際に木の枝を入れて、燃えている石にお肉がくっつかないようにします。
蒸気が逃げないように砂で蓋をして、低温で数時間調理します。
アブハーの多くのレストランはこの伝統的な方法で調理したハニースを提供しています。
木の枝を入れると言うのが気になるかと思いますが、作り方はこちらの動画が分かりやすいです。アラビア語ですが、普通に目視してわかると思います!
お米からも燻された香りがし、他の種類の炊き込みご飯よりつややかで、いかにも、したたった脂がお米に移っている感じの味です。
写真だとわかりにくいですが、私のハニースにもレーズンも確か二粒くらい入っていました。
サウジアラビアのレストランは男性用スペースと、女性や家族連れが入れる家族用スペースに完全に分かれています。入口が違うだけではなく、大きなレストランだと階や建物自体が既に違ったりします。
家族用は基本的に個室なので、私はアバヤも全部脱いで食べ終わった後は横になって休んだりしていました(笑)
店員さんは男性のことが多いため、いきなりドアを開けられることもないのでリラックスして横になれます。
ハニースを注文したレストランで、出来たてのハニースを食べたかったのですが、女性が食べるスペースがなく、トボトボ帰って食べました。サウジあるあるです(笑)
イエメンなら即席でスペースを作ってくれるのになぁ〜とも思いました(笑)
・ミーファー / タンヌールパン / アスィールパン
ミーファーは、アスィール地方全体で食べられているパンで、楕円の形が特徴的です。
長時間発酵させた後、タンヌール(オーブン)で焼いて作られ、タンヌールパンとも呼ばれます。
ミーファーは、サウジ南部のパンやUAEでよく食べられるハミールパンなど、他のアラブのパンとも少し似ています。
パンだけでも色々な種類があって、やはりサウジは大きい国だということが感じられます。
先程のアリーカを食べたお店でミーファーを作るところを見せて欲しいと、厨房に入れてもらいました。
この後、アリーカを作る所も見せて欲しいと言ったら、そのキッチンスペースは「衛生上の問題で、ここに入れさせてあげることはできない」と言われ、サウジらしからぬ返答でした(笑)
結構厚みのあるパンで、私はアラブの薄くて柔らかめなパン(ホブズ)より、もっちりして厚めの中央アジアのパン(ナン)が好みなので、このパンは結構好きでした!
・ギシル / キシル (قشر)
イエメンで伝統的に飲まれている、スパイスが効いた、乾燥したコーヒーの殻を煮出した飲み物ですが、イエメン文化の影響が大きいサウジ南部を始めとして、ティハーマで飲まれています。
アブハーのローカルマーケットでご馳走してくれた人は「飲まれているのはイエメンとサウジだけよ♪」と言っていました。
味としては薄めのコーヒーという感じで、見た目も紅茶やお茶に近いです。いただいたギシルには砂糖が入っていました。
ちょうどわかりやすい写真をイエメンで撮っていたので、こちらに2枚程載せておきます。
イエメンでは生姜も入っていたと思いますが、基本的に紅茶が多く、1日に数回紅茶を飲んでいたのに比べ、数ヶ月のイエメン滞在でギシルは2回位しか飲まなかったです。(うちの家族がそこまで飲まないだけの可能性も笑)
・蜂蜜(アラビア語ではアサル、عسل)
サウジアラビアの蜂蜜は有名で、有名なブランドだとAl Shifaがあります。
メッカ、ジザン、タブーク、ナジュラーン、ジャウフ、リヤドなど色々な場所で蜂蜜が生産されていますが、アスィール地方の蜂蜜も有名です。
アスィール地方の蜂蜜だけでもMajraハニー、Sidrハニー、アカシアの蜂蜜など色々な種類があり、アブハーでは毎年観光シーズンである夏にハニーフェスティバルが開かれます。
ローカルマーケットを歩いていると、きっと色々な蜂蜜を食べさせてもらえると思うので、先にしょっぱい物を食べてから行くのがお勧めです(笑)
とても嬉しかったのは、アラブにも白い蜂蜜があることです!それまではキルギスタンやハワイの白い蜂蜜しか実際に見たことはありませんでした。
白い蜂蜜は普通の蜂蜜よりも甘みが強く、見た通りとてもクリーミーで濃厚で、舌触りがとても滑らかです。香りも優しいお花の香りがします。
話が飛びますが、キルギスの白い蜂蜜は私の大好物で、キルギスタンに行く時はいつも2キロ位親友が買ってプレゼントしてくれます。
親友は朝ご飯の時に白湯にティースプーンで白いハチミツを入れて飲んだりしていましたが、私は好きすぎて大きなスプーンでそのまま食べています(笑)
ストックが切れたら、カルディか成城石井でいつもこの白い蜂蜜(写真右側)を買っていました。
写真に写っている白い蜂蜜とは違いますが、こちらも美味しそうです。今記事を書いていたらとても食べたくなって来て、禁断症状が出て来ました(笑)
話は戻り、この方はイエメンのハドラマウト出身の方で、私はハドラマウトに家を買おうかと思った位ハドラマウトが大好きなので、二人でイエメンの思い出話に花を咲かせました。
サウジアラビアの話をしていてキルギスタンに着地しましたが(笑)、スルタンアルアセルと言うこちらのお店ですので是非行って見て下さい♪
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https://www.instagram.com/bahargul7237/
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