ウェルカムボード作成を依頼いただいたお話
人生で「こんな日がくるなんて」と思う瞬間はたくさんあると思いますが、多くの方に賛同してもらえるのは結婚式ではないでしょうか。
自分自身の結婚式もそうですが、家族であったり、今までお世話になった方の晴れ姿を見ると、こちらまで嬉しくなって笑顔になれます。
結婚式にはウェルカムボードという、ゲストをお迎えする場所、例えば結婚式場の入り口や、受付台の上などに飾るボードがあります。
新郎様、新婦様の名前と挙式日が入ったものが主流で、お二人の結婚式をあらわす案内板のような役割を持っています。
私は人生で2回ウェルカムボードを作成したことがあります。
1回目は姉、2回目はタリーズアルバイトの同期です。
姉へのウェルカムボードは、旦那様との思い出の動物を描いたものでして、渡した瞬間泣いて喜んでくれました。
ただ、ガラケー時代に写真を撮ったため、手元に写真が残っていませんでした。
タリーズアルバイトの同期にお渡ししたウェルカムボードは写真が残っておりましたので、今回は2回目のお話をしたいと思います。
社会人2年目の頃のお話です。
同期のみんなが就職し、タリーズを離れてそれぞれの道を歩んでいました。
「少しお時間いいですか?」
そんな時、同期からいつもとは違う雰囲気で連絡がきました。
どうしました?と質問すると、
「この度、結婚することになりました。」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!おめでたい!!
タリーズの同期メンバーでは1人目の結婚になります。
そして、このご報告のタイミングでウェルカムボード作成の依頼をいただきました。
この同期は、同じ日にタリーズのアルバイトとして採用された女性の方でして、一緒に苦難を乗り越えてきた仲間でした。
とても仲良くしてくれていた人だったので、是非恩返ししたいという気持ちがあり、作成することにしました。
また別の機会にお伝えしますが、私はタリーズでイーゼルという商品の看板を描いていました。
ご結婚される同期には看板が好評だったようで、依頼をいただけたのだと思います。
早速、要望をヒアリングしにいきます。
「ディズニーが好きなので、ディズニーっぽくしてください!」
ここで問題が発生します。
私はディズニーに全く精通しておらず、チップとデールの見分け方すら知りません。
しかし、ご本人の要望なので頑張るしかありません。
ということで家に帰ってからミッキーマウスと睨めっこです。
やっぱりディズニーというならシンデレラ城なのか。
試行錯誤を繰り返し、デザインツールでイメージを完成させました ↓
しかし、当時の私はクセが強かったようです。
みんなと同じじゃ依頼側も感動してくれないだろう。
どういう思考回路だったのか思い出せませんが、開閉式にすることを決断します。
開閉式のラフ案を作りました ↓
まず、東急ハンズに向かい、黒板(大)×1、黒板(中)×2、金具、装飾品を購入しにいきました。
そして、忘れずに私の相棒も購入しました。
ポスカです。
チョークや絵の具ではありません。
ポスカを好きで使っているというわけではなく、たまたまタリーズの店舗でポスカを使ってイーゼルを描いていたので、それしか使えないというのが本音です笑
まずは鉛筆で下書きをし、線の通りにポスカをなぞっていきます。
あれ?お城が白色で上記イメージと違ってない?
と思われた方もいらっしゃると思います。
これはイーゼルを描いている時に編み出した技でして、重ね描きをするために白にしていました。
一色だけで塗ると、色ムラが出来てしまい、綺麗に見えなくなってしまいます。
そのため、まずは白色で塗って、上から青色を塗ることとしています。
青色がムラなく濡れていることがわかると思います。
ここから一番難易度の高い作業になります。
それは名前を描くことです。
文字の大きさも入るようにしなければいけませんし、斜めにならないように気を配る必要もあります。
なにより、失敗すると下地からやり直しです。
ということで慎重に名前を描きます。
ここまで来れば、あとは葉っぱを描くだけです。
上記イメージでは月は白でしたが、青色にしたほうがバランスがよかったので変えました。
イメージと異なっていても、実際に描いてから最善策を考えながら変更することもあります。
次に開閉式の扉を作成します。
同様にデザインツールでイメージを作成します。
同様にポスカで色を塗ります。
絵を描くフェーズは終わりました。
後は金具と装飾品を取り付けます。
まずは扉の蝶番です。
次に取手をつけていきます。
ここもミスが許されないので本当に緊張しました。
こちらが完成品です。
扉の内側にはコルクボードを内装しています。
旦那様との思い出の写真などを貼っていただくことができる仕様としています。
お渡しした際、とても感動してもらえました。
ときどき連絡を取り合いますが、大切に保管してくださっていると教えていただきました。
また機会がありましたら他の絵のお話もしたいと思います。