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【書評】正しく考えるー「Think right」

この本は、スイス出身のコラムニストのロルフドベリさんが書いている名著Thinkなんたらシリーズの中の一つです。この本に関しては、人が数多く犯している先入観による認識の誤りを解説し、それを防ぐためにどのような行動を心がけていくのかを説明しています。コラムニストなだけあり、コラムくらいの短さの章がいくつも集まっている構成なので、隙間時間に読み進めるのにはぴったりです。

本の内容

本の内容を解説します。いくつも章があるので、その中で特に重要だと思った章だけピックアップしていきます。

人間の認知機能は非常に都合がいい

人間は、とても都合の良い生き物です。自分が正しいと思っている情報を肯定する情報だったり、自分に得になる情報は非常に印象に残りますが、逆の情報は無意識のうちに目を背けている傾向があります。自分の成功談は自然と覚えているはずですが、失敗談や自分を否定する意見に耳を傾ける習慣をつけていきましょう。

これに付随して、自分だけはうまくいくというバイアスを持っています。必要以上に自分のことを過大評価し、周りより優れているという勘違いから無謀な行動を起こしてしまうそうです。何か大きな判断をするときは、冷静に今の状況を分析したり、他人に意見を求めたりして等身大の自分で判断することが大事です。

結果と原因の判断が鈍い

人は冷静に結果と原因を考えることが苦手です。特に、「ハロー効果」は非常に有名で、ある1面が優れているということがわかっていると、自然とそれ以外の分野でも優れているに違いないと原因の解釈を勘違いしてしまう性質があります。

ある町の市長は、消防士の出動数と火事の規模が相関していることに気づき、消防士が多くなると火事の規模も大きくなると勘違いして消防士の採用を大幅に消したそうです。

ここまで極端な判断はしないと思いますが、これと同じように、因果関係を逆転して考えて対策を考えていることが良くあるようです。

毎日日経新聞を読むと出世するのではなく、出世している人は日経新聞を毎日読む傾向が強いだけかもしれないですね

余計に動くのに大事な時に動かない

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人間は大きく分けて2つの誤った行動を起こします。

・動かなくていい時に下手に動く

・動くべき時に動かない

一つ目に関しては、動いた結果がどうなるか不透明な時によく起こるそうです。私が株をして損をしたなぁと思うのはたいてい、半端なタイミングで売ったり買ったりしてしまった時です。一見行動をしたほうが得をするような状況でも、状況が明らかになっていないときは動かないほうが結果としてよくなるという状況がよくあります。すぐに行動を移す心がけは素晴らしいと思いますが、何も考えずに動き出すのではなく、何のために動き、この行動はどんなアウトプットを想定しているのかまで明確に決めてから動きましょう

二つ目もよく起こるそうで、こちらは動いた結果どうなるかわかっている(よくなる確率が高い)にもかかわらず、失敗したときのリスクを過大評価して動けないケースです。何もせずに機を逃すより、何かして失敗することのほうが精神負担が大きいため、少しでも失敗のリスクがあると人間の行動力は大きく減少するようにできているみたいです。

行動の結果が明らかなときは、多少なりともリスクを取って挑戦してみるという心がけが必要ですね。

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感想「自分へのハードルは高め・自己評価は低め」

内容をずらーっと読み通してみましたが、結構ハッとすることがかかれています。この本はおそらくカーネマンのファストアンドスローを基に書き込まれていると思いますので、心理学的にも大方正しいと思います。

ただ、この書評を読んでいてもわかる通り、エビデンスの提示がイマイチなかったです。「確かに」と思うところまではいきますが、どういった根拠でそういう主張をしているのかが不明瞭でした。他の本でも言っていたことは参考にしますが、単に著者の感想っぽい主張はあまり重要視しないように読み進めていました。

しかしながら、この本のメイントピックである「人は自己評価高めだから注意しときや」っていうメッセージは響きました。

社会人2年目になったこともあり、仕事場でも自分の活動や働きに対してのフィードバック(批判的なものを含む)を頂く機会が増えてきました。2年目ごときがちょっと仕事に慣れたくらいで自惚れたくないので、自分のどこが悪いのかを包み隠さずしっかりと指導してくださる方々は今後も大事にしていきたいと思います。

ただ自己評価を低め見積もること=ハードルを下げるではないと思っています。何もできないことを嘆くのではなく、どうやったらできるようになるのかを常に考えていこうと思います。

今後は自己評価低め且つ自分に対するハードルはどんどん上げて、やれること・やりたいことを増やしていこうと思います。元気があれば何でもできるの猪木精神でいろんな経験を積むのもとても魅力的ですが、まずは今できることを少しづつ拡張していって、自分自身のアイデンティティを構築していきたいと思いました。とことん新しいことに挑戦するのはそれからですね。

やっていること(仕事場での主業務)

進捗管理・促進業務、各部署との情報共有

やりたいこと

・ゴリ押し力、コミュニケーション能力の拡張(主業務)

・IT知識、データ分析力の拡張(応用情報技術者試験・Python・主業務)

・ツール開発能力の拡張(マクロ・パワークエリ・Python)

まずはこの辺を2年目の課題にしていきます。いつも回しているツールが重すぎて、最近どんどんPCが重くなってきています。

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