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【長野】浅間国際フォトフェスティバル


浅間国際フォトフェスティバルとは


2018年からスタートしたアートフォトの祭典。
長野県の中でも浅間山付近の4つのエリアで毎年開催されている。
国内外の写真家たちの作品が屋内外に展示されており、長野の雄大な自然と作品の融合が見ていて開放的。
室内で見る作品とは違った趣があります。

私が初めて訪れたのは2018年。
地元が長野県なので「なにやら面白そうな試みをしてるらしい」と母に誘われ足を運びました。
この年は御代田町の旧メルシャン軽井沢跡地MMoPがメイン会場に。




2018年の様子。


背景の浅間山も相まってかなり奥行きのある展示でした。
室内で見るのとこうして屋外で見るのでは作品を通して感じる事も変わってくるのではないでしょうか。
この日は秋晴れで、青空と紅葉を始めた木々が美しかった。



2021年は小諸にて「懐カシクテ古クテ新シイ写真体験」

開催情報

会 期:2021年8月28日(土)-11月21日(日)
※会期中無休(粂屋の展示は火、水曜休)

時 間:9:00~17:00(粂屋の展示は11:00~16:00)

入場料:無料
※懐古園入場の際には散策券(大人200円、中学生以下50円)の購入が必要となります。


今回のテーマは一言で表すとレトロ。
という事で小諸の宿場町の古びた街並みや城址跡の懐古園の至る所にアーティストの作品が展示されていました。

今回訪れたのはマップ①から⑥。
懐古園エリアから商店街、最後に小諸駅のルートです。


小池健輔【Boat】:小諸城址懐古園

今回1番楽しみにしていたのがこちら。
今年のメインビジュアルにもなっており、非常にスケールの大きい作品。

懐古園内の展望台に向かう途中の酔月橋にあるとの事。
上から見下ろして見ると、あった!!

この先右上に柵が見えると思いますが、
そこに沿っていくと綺麗に見渡せるポイントがあります。

よくよく見ると恋人たちの乗るボートは浸水しています。
甘い1コマを切り取っていますが自分たちの世界に浸るがあまりすぐそこまで忍び寄っている危険に気付かない...そんな皮肉が感じられ面白おかしく感じました。
クラシカルなシチュエーションも今回のテーマに沿っておりとても良かったです。
 
この元になった素材は絵画なのか?写真なのか?調べたところ
蚤の市で販売されているヴィンテージのポストカードや雑誌、広告などとの事。

コラージュ作品を手がけている彼のインスタグラムも素敵。


伊藤昊【GINZA TOKYO 1964】:小諸城址跡


1964年東京オリンピックの銀座をとらえた作品。
先日閉会した2020大会。
コロナ禍の現在の東京と、高度経済成長真っ只中の活気に満ちた東京の若者の姿を比べてなんだか少し落ち込みました。
被写体の中には外国人やコカコーラの看板が多くありましたが、当時の欧米への憧れや、どんどん流入してくるアメリカ文化に対するの写真家の眼差しなのだろうか。


二本木里美【70s Tokyo TRANSGENDER】:旧スナック夕子


相生町商店街にあるスナック跡地。
一面を蔦に覆われたこの建物、ボロボロの看板、手前のジャスミンというスナック...
様々な要素が集まり、この風景自体が作品のよう。

1970年代に都内のゲイバー等で撮影された作品。
当時まだまだマイノリティであり世間からの風当たりも強かったであろう彼女たちの姿はどこか寂しさや物悲しさを放っていました。


山田梨詠【Familie werden(家族になる)】:小諸駅

最後に小諸駅へ。
東西自由通路の上部に連なっています。


左右で同じ作品に見えますが、左は元の写真、右は写真家本人が衣装や髪型をそっくり再現したものになっています。
日本とドイツの古い家族写真がメインとの事。

何気ない自宅の庭で撮影されたスナップ写真も第三者が模倣することで服装やポーズがなんだか異様なものに思えてくる。
外から見たらおかしく映るかもしれないが本人達にとってはただの日常。
そんなことを考えました。


森山大道【光と影】:小諸駅舎

こんなかんじで農産物直売コーナーとか、部活帰りの高校生が横を通ったりする中にドーンと設置されている。
森山大道の作品は男臭くて孤高の、という印象だったのですが
小諸駅で人々の生活が交錯する中で見ると不思議と馴染んでいて、少し自分の中でイメージが変わった気がする。



久しぶりに帰省したのですが地元でこうした取り組みがあると嬉しく、
また新鮮な気持ちで街歩きができました。
来年にも期待!

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